曽根まさこ「鬼が来る!」(1993年3月10日初版第1刷発行)
・「鬼が来る!」(「アップルミステリー1992年4月〜6月号」初出掲載)
「本庄まさるは幼い頃から、祖母に鬼に気を付けるように口を酸っぱくして言われていた。
祖母が言うには、まさるの両親は鬼に殺されて、次にまさるを食べようとしている。だけど、祖母が命をかけて守るから、そばを離れないようにと。
祖母の屋敷には時々、鬼がやって来て、その時には、まさるは離れの部屋に移されるが、ある日、好奇心から母屋の方を覗き見る。
そこには祖母たちと話し込んでいる、紺の背広を着た「青鬼」がいた。
その後、まさるは祖母から、鬼は人間のフリをしているが、本性は鬼であることも聞かされる。
家の外は鬼で溢れているので、まさるは屋敷の広大な庭の中で幼少期を過ごす。
幼少期の終わり頃、屋敷を訪れた鬼がなかなか帰らないので、まさるはこっそり様子を見に行く。
双眼鏡を覗くと、いつか見た「青鬼」と、女性の「赤鬼」がいた。
まさるは「赤鬼」に、祖母の話す「鬼」とは違う、悲しそうなという印象を抱く。
小学校に通う年になるが、まさるは鬼を警戒して、鬼にあったら殺そうと決意。
そんなある日、まさるは「青鬼」にだまされ、車で拉致されてしまう。
車が向かった先のビルには「赤鬼」がまさるを待っていた…」
読み応えのある良作です。
そして、読後、ほんのり目頭を熱くさせてくれます。
私はこういう作品が大好きなのです。
・「ダーク・チャイルド」(「アップルミステリー1991年No7」初出掲載)
「佐和子の向かいの借家に引っ越してきた母子。
佐和子は、人形のような松本勇一に一目で魅了されてしまう。
母子家庭ということで、ひとりぼっちでいることが多い勇一と遊んでいる間に、二人は親しくなる。
が、勇一の母親は佐和子にあまりあの子に近づかないようにときつく言ってくる…」
ファミコンで「Drマリオ」をやっているのが、懐かしい〜。
平成27年12月24日 ページ作成・執筆