御茶漬海苔「リーンカーネイション」(1986年4月10日初版発行)

 収録作品

・「バスルーム」
「入浴中の若い娘。
 浴室のガラス戸を壊し、侵入してきた者の正体は…?」

・「ベルグ博士の館」
「ドイツにある、ベルグ博士の住んでいた館。
 200年前、ベルグ博士は、若い娘を地下室に連れ込んでは殺害し、その死体から新しい人類を創造を試みる。
 息子の凶行に心を痛めた母親は彼を殺害し、バラバラにしてから、地下室に封印、その後、服毒自殺する。
 以来、ベルグ博士の館に住む者は悉く怪死を遂げていた。
 そんな曰く付きの館に、三人の日本人学生が、旅の思い出にと一泊するのだが…」

・御茶漬海苔先生への「Q&A」

・「天神の泉」
「夏休み、祖母の実家に滞在していた少年はグレープフルーツ・ジュースのような色をした泉を見つける。
 物珍しさから、彼は泉の水を水筒に汲んで帰るが、姉がそれを知らずに飲んでしまう。
 それから、姉の身体には異変が起こるようになり、家の周囲では動物の喰い散らかされた死体が発見される。
 天神の泉に伝わる、恐ろしい伝説とは…」

・「リーンカーネーション」
「ある夫婦の間に産まれた女の子、由美。
 父親は、娘が、高校の頃、輪廻転生を信じて、自殺した親友、ケンジの生まれ変わりであると知る。
 ケンジは、子供の頃が一番楽しいと、自殺することで再生を図り、父親はそれを阻止しようとするのだが…」

・「記憶買います」
「行方不明になった妻を探し、山奥の湖来村を訪れた男性。
 ようやく手がかりを見つけるものの、彼女は、記憶を喪失し、赤ん坊のようになっていた。
 彼女の身に何が起こったのか…?」

・「ロイの方舟」
「核戦争で荒廃した地球を捨て、宇宙船で脱出した、一握りの人類。
 コールドスリープから覚めたロイは、前途に絶望し、刹那的な享楽主義に陥る。
 彼は、一人の娘をコールドスリープから強制的に覚こし、奴隷同然に扱う。
 そんな時、彼らの宇宙船は異星人の宇宙船と遭遇。
 生存を賭けて、宇宙人とのコンタクトを試みるのだが…」

・「魔女ミレーヌ」
「高山記代という娘に猛烈に恋する青年、高山厚志。
 彼は様々な方法でアタックをかけるが、全く振り向いてもらえない。
 絶望した彼は海へ身を投げる。
 生死の間をさまよう彼の前に、若い娘の姿をした魔女が現れ、彼の願いを叶えようと話す。
 その代償は…」

・「HUNTING」
「由香利の父親は狩猟が趣味。
 ある日、狼らしき動物を撃つが、そこには若い娘の全裸死体があった。
 彼は遺体を湖に沈めるが、その夜、何者から電話を受ける。
 電話の主は父親に、ことを黙っておく代わりに、郵送する液体を娘に飲ますよう、脅迫する…」

・「作品後記 私の部屋はオカルトハウス」

・富士鷹なすび・笠木博「作品解説 御茶漬海苔の食べすぎにご用心!!」

 個人的には、「リーンカーネーション」と「ロイの方舟」がお気に入りです。
 大傑作「惨劇館」で縦横無尽に発揮される残酷描写は、この頃にはほぼ完成していることが感慨深くありました。

2018年7月6日 ページ作成・執筆

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