山本まゆり「RESET 人生の選択編」(2015年8月18日第1刷発行)
あなたが人生を後悔した時に現れる堕天使アンリ。
彼は「人生のセーブ係」で、人生を「リセット」できるチャンスを与えてくれる。
あなたが選ぶのは「天使の道」?それとも、「悪魔の道」?
・「8年目の再会」
「守屋桃香は中学校の同窓会に招待される。
彼女の目当ては川瀬由紀也であった。
彼は頭脳明晰・容姿端麗な皆の憧れで、彼女はホワイト・デーに彼からお返しされたことをいまだに大切に思っていた。
しかし、8年ぶりに見る彼には以前のオーラは全くなかった。
一流高校に進学したものの、落ちこぼれ、大学を三狼した挙句、今はプー太郎であった。
それとは打って変わって、クラスで目立たなかった神崎竜樹は高校卒業後に立ち上げた会社が成功して、実業家としてぶいぶい言わしていた。
鼻高々の神崎は川瀬に向かい、自分の会社で働かしてやると言い放つ。
桃香はいたたまれず会場を後にするが、それから一か月後、川瀬が神崎を殺したことがニュースとなる。
川瀬は神崎の会社に就職するも、散々バカにされ、神崎を殺害したのであった。
桃香は同窓会で自分が彼に声をかけなかったことを後悔する。
そこに堕天使アンリが現れ、リセットするチャンスを与える。
リセットする時点は同窓会の会場。
桃香は同窓会で川瀬を励まし、二人は付き合うようになるのだが…」
・「モテキをもう一度」
「ミキオは彼女いない歴43年、独身でフリーターで腹の出てしまったおっさん。
彼は自分の「モテ期」について考え、このまま孤独死するのかと絶望する。
その時、彼の前に堕天使アンリが現れ、リセットするかどうか尋ねる。
リセットする時点は十年前。
彼はIT企業で派遣だったが、経済的余裕はあり、メクシィつながりで女性とも接点があった。
彼はワイン好きコミュのオフ会で「ピノ」と「ゆみか」と会う。
「ピノ」はぽっちゃりとした女性で、美人ではないものの、彼に好意を持っている様子。
一方の「ゆみか」は美人だが、チャラチャラして軽かった。
「ピノ」は九年後にメク友と結婚していたので、ミキオはゆみかとデートをする。
しかし、あれこれとたかられただけであった。
そこで、今度はピノに矛先を変え、彼女とゴールインするのだが…」
・「戦うための選択」
「奥宮はある高校の女教師。
彼女が受け持つ二年A組で、津久井秀明という生徒がいじめにあっているらしいことに気づく。
首謀者は光本と松木という男子生徒だが、本人たちはふざけてるだけと言い訳をする。
前丘初美という女子生徒からいじめについて詳しい報告を受け、奥宮は津久井にいじめについて尋ねるが、本人は否定。
なすすべもないまま、手を拱いているうちに、津久井は自殺してしまう。
保護者会では保身のため、いじめを否定するも、個人情報がネットでばらまかれ、嫌がらせを受けるようになる。
そんな彼女の前に、堕天使アンリが現れ、リセットするかどうかを尋ねる。
彼女は前丘初美の報告直後に戻り、いじめっ子達に説教するのだが、事態は思わぬ方向に…」
・「死刑台へのスイッチ」
「板倉悠菜はOL。
同僚で親友の綾乃が実家に引越しして、悠奈は一度、家に遊びに来るよう誘われる。
実家では綾乃の両親が彼女を歓待してくれて、悠奈はとっても満ち足りた気分になる。
食事の後、綾乃は悠菜に意外な事実を明かす。
彼女はストーカーの被害にあっており、それが原因で実家に戻ったのであった。
その夜、悠奈が駅で帰りの電車を待っていると、線路に一人の男が倒れている。
ホームには彼女以外に人がおらず、駅員を呼ぼうとした時、電車が来て、男は轢死。
非常停止ボタンを押せばよかったと気づくも、後の祭りで、以後、彼女は罪悪感に苛まされる。
ある朝、スマホにメールが来ているが、それは堕天使アンリからであった。
リセットした彼女は駅のホームの時点に戻り、今度は男性を助ける。
彼の名は坂寄比呂人で、失恋のやけ酒で飲み過ぎ、気が付いたら線路の上だったと話す。
彼女は彼に同情し、彼と話すうちに、恋の予感を少し感じる。
だが、数日後、衝撃的なニュースが起きる…」
山本まゆり先生の代表作の一つ「リセット」シリーズ(「ホラーM」にて連載)。
一度終了しましたが、テレビドラマ化による新作やコンビニ本での新作描きおろしと単発的に描かれておりまして、そういう作品を収録したのがこの単行本です。
個人的には、「モテキをもう一度」の主人公に今の自分の姿を見るようでつらかったです。
あのラストは納得できない!!…けど、そうなって欲しいなあ…。
あと、※クシィが登場するのに時代を感じました。(十年以上前にやっていましたが、パスワード等、すっかり忘れました。)
2023年12月21・26日 ページ作成・執筆