好美のぼる「口裂け女」(1979年9月1日初版発行)



「とある町の私立女学校。
 理事長の甥が新しく教頭になってから、校則による締め付けは厳しくなるばかり。
 生徒会長の新田英子は、親友の谷山時子、坂田まゆみと共に、教頭に対してレジスタンスを開始する。
 と言っても、お化けの真似をして、教頭を脅かすという程度の物であった。
 だが、家族までが被害に遭い、教頭は首謀者を明らかにしようと躍起になる。
 そこで、教頭は、三人の女教師に「口裂け女」のメイクをさせて、生徒達を脅かし、首謀者を聞き出そうとする。
 この企みを見抜いた英子達は、自分達も同じメイクをして、ポラロイドカメラで「口裂け女」に扮している先生達を写して、逃走。
 気が付くと、英子達はいつの間にか森の中の池のほとりに来ていた。
 そこで、英子達が目にしたものは…」

 1970年代後半に「口裂け女」をテーマに据えた怪奇マンガって、多くありそうで、あまり記憶にありません。(単に私が知らないだけかもしれませんが…。)
 この作品は、1979年の「口裂け女」騒動に影響を受けて描かれたことは疑いないと思います。
 その当時の流行ものをテキト〜な解釈でマンガに取り入れる好美のぼる先生にしては珍しく「口裂け女」の基本をばっちり押さえております。
 マスクにロング・コートという基本的なスタイルだけでなく、ちゃんと鎌を持っていて、「100メートルを7.5秒」で走れると言っているところが、ちょっと嬉しいですね。
 できれば、「ポマード」も扱って欲しかったところです。
 ただ、ストーリーはほんま、他愛ないものです…。
 ラストは予想以上に救いようがなく、読後感はちょっぴり複雑…かも…。
 あと、カバー表紙の口裂け女、顔の下半分あたりが青々としていて、ニューハーフの変質者っぽいのが、ちと残念。

2016年12月20日 ページ作成・執筆

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