森須久依「聖魔狩人」(1993年8月31日初版発行)

 収録作品

・「聖魔狩人」
「水城梓は高校一年生の普通の女の子。
 彼女には早野という小学校三年生からの腐れ縁の男子がいて、気になる存在ではあるけれど、今のところ、「他人以上、友達未満」の関係。
 ある夜、彼女は奇妙な夢を見る。
 夢の中で二人の男女が化物たちを戦っていたが、梓はその女性は自分だと直感する。
 不思議なことはそれだけにとどまらず、早野も梓と同じ夢を見ており、彼も同様に夢の男は自分だと感じていた。
 この夢をきっかけに梓と早野の周囲では奇怪なことが次々と起こるようになる。
 二人は空家の洋館に謎を解く鍵があると考え、中を探ると…。
 洋館に潜むものの正体は…?
 そして、二人が見た夢が意味するものとは…?」

・「瑠璃色伝説」
「柏木友江(17歳)は三歳年上の兄の豊と二人暮らし。
 豊はミステリーマニアで不思議な話を聞くと、すぐに現場に飛んでいく。
 ある日、豊は山村で不審なバラバラ死体が発見されたという新聞記事を読み、B県まで出かけることを決める。
 この村には「一ツ目の魔物」の伝説が伝わっていた。
 この魔物は深い山奥の洞窟に棲み、自然災害を起こして人々を苦しめるだけでなく、時には村人を襲ってその肉を喰らう。
 だが、光り輝く瑠璃の瞳を持つ男がどこからともなく現れ、魔物を退治したと言い伝えられていた。
 友江は兄の調査旅行に同行し、二人は宿泊先の山小屋に到着する。
 一服した後、山の洞窟を見に行くと、その付近に倒れている青年を発見する。
 二人は彼を山小屋へと運び、意識を取り戻した青年は曽我俊明と名乗る。
 その目は美しい瑠璃色をしていた。
 彼は自分の周囲に短剣がなかったか尋ね、もしも見つかったら何があったか教えると話す。
 友江は彼に想いを寄せるも、豊は曽我に対し何やら企みを抱き…」

・「銀の呪縛」
「山辺沙矢は身長が高いことにコンプレックスを抱く高校一年生の女の子。
 ある日、友人のみちるが彼女に「願いがかなうペンダント」の話をする。
 そのペンダントは二年生の宗方百合が趣味で作っており、ただで配っていた。
 沙矢がみちるがペンダントをもらうのに付いて行くと、教室の前で悪寒に襲われる。
 また、碧い目をした青年を目にするが、気が付くと彼の姿はなかった。
 放課後、沙矢が帰宅していると、途中、あの青年が彼女を待っていた。
 彼は彼女に力を貸してほしいと求めるが、彼女は反射的に拒否して、その場を走り去る。
 翌日、みちるはペンダントのおかげで憧れの片桐先輩と両想いになったと話す。
 だが、みちるだけでなく、ペンダントを付けた生徒たち全ての様子がおかしい。
 沙矢は宗方百合が何かを知っていると考え、二年の教室に行こうとするが…」

 ちょっと厳しい言い方になりますが、内容としては安直なファンタジーです。
 と言うのも、普通の女の子が謎のイケメン男子と出会い、二人で協力して魔物を倒す…というのが大体のパターンで、これでは柿崎普美先生とあまり変わりはありません。
 また、グロ描写も柿崎普美作品より遥かにおとなしく、ますます中途半端に感じます。
 でも、森須久依先生のほんわかした絵柄(とお人柄?)のおかげか、そこまで殺伐とした内容ではありませんので、こういう雰囲気が好きな人もいると思います。

2025年12月15日 ページ作成・執筆

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