沖田有美子「死者の飾りに」(1988年12月30日初版発行)
・「女殺し幽界行き」
「杉原たかこはN大で都市民俗学の講師を務める女性。
彼女の「ヒモ」の和砂は16歳の青年で、彼は霊能力を持っていた。
ある日、たかこを大学時代の元・彼の平岸が訪ねてくる。
平岸は刑事で、都内の高校で原因不明の事故が続発する件を調査していた。
何故か、事故にあうのは男子生徒ばかりで、しかも、このクラスで去年、死んだ女生徒のしわざと噂される。
たかこは和砂と共にその高校に行き、和砂は校内を見て回る。
例の教室は2年B組で、去年の三月の終りに坂口優子という女生徒が飛び降り自殺をしていた。
和砂はその教室で坂口優子の霊を自分に憑依させ、たかこは霊と会話をする。
坂口優子の霊は「ヒロタ」という男子生徒を捜しているようなのだが…」
・「闇の道行き」
「夜、和砂が深夜営業の店に買い物に行くと、霊を連れた少女を見かける。
少女の名は加奈で、親友の恵の行方を捜していた。
二人は中学生であったが、加奈は両親が離婚し、恵は親からネグレクトを受けていた。
ある日、二人は終電を逃して、深夜営業の店で時間を潰すが、恵はトイレに立ったきり姿を消してしまう。
和砂は恵の幽霊を視て、彼女が普通の死に方でないことを知る。
彼が恵の霊を自分に降ろすと…」
・「仮身の宿」
「和砂はたかこをゲイバーへ迎えに行く。
帰宅後、彼は若い女の霊を連れ帰ったことに気付き、女の霊は彼にとり憑こうとする。
いろいろと調べたところ、女の霊はゲイバーのマリリン(♂)であることが判明。
マリリンのマンションを訪れると、マリリンは心臓麻痺で亡くなっていた。
好きな男にフラれ、痛飲したことがその原因らしい。
和砂はマリリンをフッた男と共にラブホテルに行くのだが…」
・「慈母伝承」
「和砂はN大学に行った際、森口助教授と会う。
森口助教授は次期教授候補のエリートであった。
彼と二人になった時、和砂は女の霊に憑依され、「あなたの子供が」と口走る。
女の霊は良子という名前らしく、森口助教授と深い関係にあったらしい。
森口は和砂が何かを知っていると考え、彼を拉致。
一方、たかこと平岸は森口のゼミの生徒に木島良子という女性がいたことを突き止める。
木島良子は妊娠五ヵ月で異常があり、入院するも流産し母子ともに亡くなっていた。
木島良子が伝えようとしているのは…?」
・「可愛い餌」
「荻島は大日本トラベルのやり手社員。
彼は一ヵ月の間、ドイツに滞在し、ドイツの古城のツアーの企画を完成させる。
帰国後、古城の所有者のレニッツが来日してくるが、レニッツは派手な身なりの外国人であった。
荻島の恋人の牧野久美子はレニッツの荻島を見る目つきが普通でないことに気付き、レニッツを同性愛者だと考える。
久美子は荻島がレニッツを日本の観光案内するのに同行し、レニッツが荻島に近づくのをことごとく妨害するのだが…。
レニッツの正体は…?」
・「Question&Answer」
・「やさしく・とんでも夜(ナイト)」
「三沢順子はデザインの仕事がしたくて、ある会社に入ったが、気が付くと、すっかり「売れ残り」になっていた。
同僚の結婚式の二次会の後、彼女は酔っ払って、園木室長に送ってもらう。
園木室長は女子社員に人気のある独身男性であったが、三沢からすれば、うぬぼれた遊び人でしかなかった。
彼女の部屋は二階で、アパートの階段を上っている時、彼女がふらついて、二人はアパートの階段から転げ落ちる。
翌朝、二人は彼女の部屋で目覚めるが、二人は魂が入れ替わっていることに気付く。
二人は様々な障壁にぶち当たるが、別々の立場から物事を見ることにより様々な発見を得る。
同時に、二人はお互いの隠れた魅力に気づいていき…」
・「沖田有美子全調書」
本書のメインは「和砂&たかこ」シリーズですが、個人的にあまり面白みを感じませんでした。
16歳の少年をヒモにしているという設定が露骨な描写はさほどないものの、それでも生臭過ぎです。
それよりも、「可愛い餌」や「やさしく・とんでも夜」の方が出来が良いように思いました。
特に、「やさしく・とんでも夜」は内容的には「おれがあいつであいつがおれで」なのでありますが、入れ替わった状態のまま、セックスしているのはあまり見ないかも…。
2025年9月26・28日 ページ作成・執筆