川本貴裕「6番目の殺人」(2017年6月5日第1刷発行)

「前田千佳と古堀紗南は、紗南の大学進学を機に、アパートで二人暮らしを始める。
 二人が入った「201号室」は事故物件で、家賃のわりにいい部屋であった。
 大家は離れの一軒家に住み、住民は、
 階下の101号に、母と幼い息子の母子家庭。
 隣の202号に、何を考えているのかわからない、長い黒髪の女性。
 階上の301号には、駅前の交番に勤める警察官の男性。
 千佳と紗南が越した夜から、二人は度々、奇怪な現象に見舞われる。
 二階の窓の外に映る人影。
 帰り道の、紗南の背後にまとわりつく、生々しい気配。
 そして、窓の外を落下して、消えた男性の幽霊…。
 二人は、大家にお祓いをお願いするが、返事だけで一向にする気配はない。
 また、住人に部屋のことについて聞き込みをするも、一見、平凡そうな彼らは決して見かけ通りではなかった。
 新聞記事で調べても成果は上がらず、紗南はパソコンでの検索を思い付く。
 すると、あるオカルトのサイトで、彼女達の部屋は「三年おきにアパート住人が消える」部屋と紹介されていた。
 そして、彼女達が入居したのが、最後にアパートの住人が消えて、ちょうど三年後であった。
 過去、この部屋の住人に何が起こったのであろうか…?  千佳と紗南はそれを突き止めようとするのだが…」
(「ヤングアニマル増刊'嵐'」2016年No.8〜2017年No.4/各章のタイトルは省略いたします)

 事故物件にまつわる幽霊ものかと思いきや、後半、サイコ・スリラーにシフト・チェンジします。
 なかなか面白いですが、後半、もっと幽霊を活躍させても良かったかも。
 あと、第一話の大家のセリフ「あの部屋で大丈夫なのかねえ」が、後半の展開を考えると、違和感を感じます。

2021年7月3・4日 ページ作成・執筆

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