落合裕介「タンペンシュウ@」(2023年11月6日初版発行)
収録作品
・「ヒトデナシ」(「ヤングキングBULL」2023年6月号)
「シュンは大学四年生の青年。
彼はオレオレ詐欺の受け子をして、老人たちから金を巻き上げていた。
だが、五回目の仕事の際に彼は失踪。
ヤクザの兵藤と子分二人はシュンの携帯電話のGPSを伝い、彼の居場所を突き止める。
そこは田舎町の廃校なのだが…」
・「ホシガリ」(「ヤングキングBULL」2023年7月号)
「シホは人が持っているものが欲しくなると、どうしても手に入れずにはいられない女子大生。
そんな彼女にタイガという青年が興味を持つ。
彼は取り柄は「ハートが強い」ことだけで、降られても懲りずに毎日、彼女に告白する。
その甲斐あって、シホは彼の告白を受け入れ、付き合うこととなる。
シホは彼に本気になるが、彼女が「ホントにほしかったモノ」とは…?」
・「ヒトノメ」(「ヤングキングBULL」2023年8月号)
「宮沢恵一が故郷の田舎町に帰ってくる。
彼は十五年前、東京に出て、殺人を犯し、十年服役していた。
服役していた間に母親は亡くなり、父親は彼にほとんど関心を払おうとはしない。
また、町の人は彼を「人殺し」としてしか見ず、彼は孤独に苛まされる。
寺の住職は彼を不憫に思い、寺に移って修行するよう勧めるのだが…」
・「ココロノコシ」(「ヤングキングBULL」2023年9月号)
「ある男性が娘の結奈と共に田舎の旧家を三年ぶりに訪れる。
ここは父親の生家で、長男の叔父が死んで以来、無人であった。
二人は家の掃除をするが、本当はこんなことをしている場合ではなく、男性は会社からリストラされかけており、妻とはすれ違いの状態が続いていた。
家の片付けは一日では終わらず、男性と娘はその家に泊まる。
深夜、男性が「カタカタ」という音で目を覚ますと…」
・「リフジン」(「ヤングキングBULL」2023年10月号)
「男に逃げられ、しかも、その借金を背負わされたアキホ。
アキホを捨てた後、運送業で働くヒロキ。
ヒロキに一方的な恨みを抱き、陰湿な嫌がらせをする沼田。
その沼田に言いがかりを付け、金を奪ったチンピラ。
ラウンジでカツアゲを自慢したチンピラをぼったくるヤクザ。
そして…」
「うなぎ鬼」(高田侑・原作)で知られる落合裕介先生の初の短編集です。
落合先生は読者に「投げかける」という意図を持って描かれたとあとがきに描いており、「ヒトノメ」「リフジン」はかなりシリアスな内容で、心にズンと響くものがあります。
ただ、個人的には、奇想とブラックユーモアが冴えた「ホシガリ」が一番面白かったです。(こういうノリ、大好きです。)
あと、「ヒトデナシ」に出てくる老人たちにはもっと頑張ってもらいたいものです。
2026年6月7・9日 ページ作成・執筆