酒井美羽「立ち枯れの森」(1988年7月25日第1刷発行)
・「立ち枯れの森」(1985年「花とゆめ」19号・20号)
「中世のドイツ。
17歳のマリアは木こりのヨゼフの娘。
ある日、彼女はお使いに出て、帰りが遅くなる。
暗い森の中、彼女は滑落して脚を怪我するが、そこに見知らぬ少年が現れる。
彼は黒い髪に白い肌をしており、不思議な雰囲気をまとっていた。
彼は彼女を館に連れていくが、その館は近づいてはいけないと言われていた「黒狼の森」にあった。
彼は彼女の手当てをして、翌日、下男のアルカードに彼女を村へ送らせる。
その際、少年はここは「呪われた場所」のため、絶対にこの館のことを口外しないよう警告する。
だが、マリアはうっかり家族にこのとこを漏らしてしまうと、父親は血相を変えて、彼女を納屋に閉じ込める。
一月経ち、彼女は外に出してもらえるが、あの少年のことが気になって仕方がない。
彼女はもう一度、黒狼の森の屋敷に行き、少年と再会する。
少年の名はサーヴァルで、この屋敷に召使のアルカードと共に住んでいた。
彼の曾祖父母は革命で国を追われ、この村に住みつき、祖父の代からこの村の女を娶っていた。
二人はお互いに惹かれ合うが、実は二人は村の長たちの決めた許婚同士であった。
マリアはサーヴァルの妻として屋敷に住むようになり、そこで想像を絶する、おぞましい事実を知ることとなる…」
・「ストレンジ・ナイト」(1986年「花とゆめ」18号)
「夏のある日、あゆみは友人の梨江子から相談を受ける。
それは梨江子の家族が吸血鬼ではないか?というものであった。
先日の晩、梨江子と姉が銭湯からの帰り、姉が猛犬に襲われる。
すると、姉は猛犬を喰い殺し、口には鋭い牙が光っていた。
梨江子が意識を取り戻すと、貧血で倒れたと言われ、自分の見たことは夢にされるが、どうにも納得いかない。
それを聞き、あゆみは梨江子に十字架のネックレスを渡す。
梨江子がそれをかけて帰宅すると、気づいた母親が顔色を変えて、ネックレスを家の外に投げ捨てる。
その際、母親の掌には十字架の火傷の痕がついていた。
梨江子は自分の家族が吸血鬼だと疑いを強め、あゆみに助けを求めるのだが…」
・「MIWAの怪談・奇談」(1988年「花とゆめ」11号)
「酒井美羽先生やアシスタントさんの心霊体験を漫画化したもの」
故・米沢嘉博氏にも評価された名作「立ち枯れの森」。
改めて読んでみると、メガトン・ヘビーな内容でのけぞります。(本当です!!)
もしかして、少女漫画雑誌(注1)で発表されたホラー漫画の中で最もエログロ度の高い作品の一つではないでしょうか?
可憐な絵柄でとことん悪趣味…ありそうでなかなかなく、クセになりそうです。(そればっかりだな。)
「ストレンジ・ナイト」は「吸血鬼もの」ですが、若干、釈然としないところがあり残念。(何故、日光が大丈夫なの?)
「MIWAの怪談・奇談」は実話怪談で、仮眠を幽霊に邪魔された作者の反撃には笑っちゃいました。
・注1
少女漫画は専門でないので、詳しいことはわかりませんが、あの時代の「花とゆめ」は魔夜峰央先生「パタリロ」や故・和田慎二先生「スケバン刑事」等、ハードな作品があったようなので、この作品も許されたのかも…。
2025年10月19・21日 ページ作成・執筆