古賀新一「チチチとまた呼ぶのろいの顔」(1983年4月10日初版発行)
古賀新一「呪いの人面相」(1986年11月30日初版発行)

収録作品
・「のろいの顔がチチチとまた呼ぶ」
「愛子とその妹は、海水浴からの帰り、崖から海に飛び降り自殺をしようとする少女を助ける。
気持ちの悪い人形を抱く少女を別荘に連れて行き、事情を聞くと、その人形がいじめるので自殺を図ったと言う。
更に、奇妙なことに少女は片方の腕の肘に包帯を巻いていて、それは人形が噛みついた傷と説明する。
その夜、少女は人形を殺そうと、ナイフを片手に部屋にこもるものの、何者かに喉を噛まれ、瀕死の態で部屋から出てくる。
愛子は人形を叩き壊すと、少女の肘の包帯の下から醜い顔が現れて、愛子の腕に噛みつく。
医者が駆けつけた時には、少女は冷たくなり、肘にあった醜い顔は消えていた。
しかし、その醜い人面疽は、肘の噛み傷から愛子の身体に取りつく。
その人面疽のために、友人を失い、医者からも見放され、愛子とその家族は数々の不幸と恐怖を味わうこととなる…」
「のろいの顔がチチチとまた呼ぶ」(ひばり書房黒枠)からの再録です。
全体的に、スクリーントーンが追加されて、陰影が増してます。
・「クモ男」
「母を亡くし、天涯孤独の身となった少年、常夫。
異常に内気で、蜘蛛しか友達のいない常夫はその現実を受け入れることができない。
ある時、常夫は首に赤い蜘蛛のアザができていることに気付く。
そのアザが消えると、彼の前に、小身体躯の醜い男が現れる。
彼は常夫の親友と自称し、これから親代わりとなって面倒を見ると言うのだが…」
貸本マンガの「蜘蛛男」の少年版なのでありましょうか。
ラストもほぼ一緒でしで、こちらの方も全く救いがありません…。
廣済堂から出版された単行本ですが、カバーが違うだけで、内容はほとんど一緒です。
カバー以外の違いは「呪いの人面相」の方にp1にタイトル・イラスト(上右端の画像を参照のこと)があることと、巻末の宣伝ページぐらいでしょうか。
とりあえず、読んでみたい人がおられましたら、どちらでも構わないと思います。(個人的には「呪いの人面相」のジャケットが好みです。)
2016年5月5日 ページ作成・執筆