杉本啓子「あまりにもオバケさん」(1970年8月10日発行)
収録作品
・「あまりにもオバケさん」
「幽霊屋敷と呼ばれるシュブラック伯爵の屋敷。
そこに住むリュリュは、オバケにしては「器量がわるく」、人間を怖がらすことができない。
ある日、彼女は、屋敷に忍び込んだ青年達にからかわれたばかりか、棲家の壷を持ち去られてしまう。
このままでは姿を隠すことができず、壷を取り返すべく、彼女は都会にやって来る。
まず、「エルキュール=ポロロ探偵事務所」を訪れるが、ポロロは「ゆうれいとゴキブリ」が大の苦手で、全く役立たず。
次に訪ねた「エラリー=キング探偵事務所」では、オバケ研究家に売り渡されそうになる始末。
リュリュは人間が嫌いになりそうになるが、ただ一人、ポロロの甥、モーリス=デュポンだけは彼女に親切にしてくれる。
また、故美術収集家の彼は、リュリュの壷を手に入れていた…」
・「オバケ法入門」
「オバケのリュリュが人間のモーリスと愛し合うようになったことで、オバケ達は大騒ぎ。
そこで、リュリュの幼馴染、フワフワがリュリュのもとに派遣される。
フワフワはオバケ大学を一番で卒業し、オバケ法を全て暗記、更に、どんなものにも化けられる能力があった。
彼はリュリュのことが好きで、ことあるごとにオバケ法を説き、二人の仲を裂こうとするが、リュリュの決意は変わらない。
そこで、オバケ達は、リュリュとフワフワを強制的に結婚させようとするのだが…」
・「ハリケーンむすめ」
「車大好き少女、森本みちる(高校一年生/16歳)。
彼女は学校に向かう途中、外国人男性をバイクで自分の高校まで送る。
その男性は、アメリカのグロリア高校の校長先生で、みちるは第一回留学生に選ばれる。
みちるのホームステイ先は、ウィリアム・ワトソンという日本びいきのアメリカ人。
また、グロリア校長先生の息子、サムとも知り合いとなる。
だが、彼女は、クラスのリンダ=ストーカーに目を付けられてしまう。
彼女は「LSクラブ」という、不良少女達の集団のボスであった。
みちるは「LSクラブ」への入会を誘われるのだが…」
幻想的な作風で知られる杉本啓子先生の「週刊少女フレンド」に掲載された作品です。
当時は普通の少女漫画で、これはこれで可愛くていいと思います。
また、脱力系のオバケも味があるなあ…。
数年後の神経に障る怪奇マンガと読み比べると、隔世の感があります。
・備考
カバー背、上部に欠損あり。
2021年6月24日 ページ作成・執筆