古蝶令奈・漫画/インディ・原作「ウツロノトキ@」(2025年7月30日初版第一刷発行)

 収録作品

・「第一話 轢断」
「電車の運転士の男性。
 ある日、彼がいつも通り、駅を通過しようとすると、男子大学生が電車に飛び込んでくる。
 その瞬間、男性はその大学生と目が合い、直後、大学生は轢かれる。
 大学生は一命を取り留め、男性はしばらくの間、事務作業をするが、その後、運転士に復帰する。
 しかし、半年後、男性はホームにいる人達が自分を見ているよう感じ始める。
 その視線に電車に飛び込んだ大学生の視線を重ね合わせ、彼らが今にも電車に飛び込んできそうで、男性は気が気でない。
 だが、ある日、彼は真実に気づく…」

・「第二話 団地の声」
「和馬の家の前にある団地は危ない連中が多く住んでいるため「シャブ中団地」と呼ばれていた。
 ある日の昼間、団地からわめき声が聞こえ、うるさくて仕方がない。
 父親に言われ、和馬は声の主の部屋を突き止めに行くも、声は反響し、どこの部屋か特定ができない。
 仕方なく、声を録音し、SNSに挙げると、すぐに返信が来る。
 わめき声は「うえをみろ おんながいる」と聞こえるらしいが…」

・「第三話 引っ越す男」
「武田家は代々医師家系で、武田翔吾(35歳)も医者であった。
 彼はしばしば就寝中に足の指を「ネズミ」にかじられ、それがイヤで、何度も引っ越しを繰り返す。
 引っ越した当初はいいが、しばらくすると「ネズミ」が現れ、結局、引っ越さざるを得ない。
 彼は「ネズミ」を見たことがないが、その正体は…?」

・「第四話 撮影の家」
「グラビア雑誌の撮影隊が田舎の民家にやって来る。
 撮影用に貸し出している家なのに、持ち主らしい老人が撮影隊を厳しい顔で睨み付けている。
 また、グラビアアイドルの控え室の奥は立入禁止の札が貼られていた。
 撮影が始まるが、スタッフが一人また一人と姿を消し…」

・「第五話 熱帯魚」
「原田絵里は高校を中退後、男と同棲する。
 しかし、男は完全なダメンズで、ある晩、耐えかねて彼のアパートを飛び出す。
 あてもなく歩いていると、熱帯魚店を見かけ、中に入ってみるが、水槽に魚は全くおらず、魚の餌も賞味期限は五年も前。
 五年前のことを思い出し、感慨に耽っていると、入口の水槽の方で水の撥ねる音がする。
 絵里が近寄って覗くと、水槽の中には…」

・「第六話 足音」
「相田剛(36歳)は商社勤務の男性。
 飲み会の後、終電で駅に着き、夜道を歩いていると、前の方から女性のヒール音が聞こえてくる。
 痴漢と間違われるのもイヤなので、反対側の歩道に移り、早歩きしてから、また戻るが、相変わらず、ヒール音は前から聞こえる。
 よくよく聞くと、ヒール音は二人分で、女の二人連れなら抜いても大丈夫と彼は考える。
 しかし、女には追いつけず、更に、先にいるはずの女の姿は見えず…」

・「第七話 コンビニのお札」
「田舎のコンビニ。
 オーナーは疲れた中年男で、深夜バイトの大学生青年とはお互いに相性が合わなかった。
 ある夜、彼はオーナーが雑誌コーナーに設置してあるミラーに何かしているのを目にする。
 オーナーは今まで見たことのないような必死の形相をしており、青年は気になってミラーを調べると、裏面に御札が何枚も貼られていた。
 青年はいたずらと考え、その御札を剥がして捨てる。
 以来、ミラーを気にかけると、どうやら週に一回、何者かが御札を貼っているらしい。
 彼は御札を見つけては剥がして捨てるが、一方でオーナーの様子がどんどんおかしくなり…」

・「第八話 家庭教師」
「高木は「小学生限定」の家庭教師。
 彼はヒロキという子供の家庭教師として雇われるが、母親は医者の許可が必要と言って、なかなか会わしてはくれない。
 その代わり、週に一度、ホテルのレストランで母親と面接し、バイト代だけでなく、食事までご馳走になる。
 二ヶ月後、ヒロキと会う日が来るのだが…」
(「WEBコミックガンマ」2024年9月配信分〜2025年4月配信分)

 怪談師のインディ氏の怪談を古蝶令奈(aka 葛西りいち)先生が漫画化してものです。
 原作にあたっていないので、漫画化の出来に関して判断はできないのですが、よく理解できない話が幾つかありました。(特に、「団地の声」「足音」)
 でも、「撮影の家」の不穏な雰囲気はしんしんと不気味で良いです。(こういう作品、好きなんだけど、「撮影の家」はもう少し設定を凝ってほしかったな…。)
 個人的ベストは「引っ越す男」。
 よくできた短編だとは思いますが、ただ、「ネズミ」に歯があるのか?という疑問が…。

2026年6月22・23日 ページ作成・執筆

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