はざまもり「ウエディング・ナイトメア」(1993年4月15日第1刷発行)
収録作品
・「海神(わだつみ)の封印」(1992年「セリエミステリー」11月号掲載)
「ホテルからの転落死した兄。
彼は観光会社の社員で、ある島の小さな漁村の買収をするため、島のホテルに滞在していた。
弟の高嶋慎二は、兄の真相の死を突き止めるため、漁村の坂田という家を訪ねる。
坂田は、漁村の誰もが観光開発に反対して、土地を売らない中、たった一人、申し出を受けた人物であった。
しかし、当の坂田は病気で入院中で、娘の渚が応対する。
彼女は、兄が亡くなったホテルの従業員で、先祖代々の土地を売ることを断る。
また、その場に現れた村長と漁業長も、慎二に対して、土地は売らないと言い張る。
ひとまず、慎二は引き下がるが、帰り道、車が故障してしまう。
助けを求めるうち、彼は、海で、海神さまの祭の光景を目にする。
それは、海に浮かぶ岩島に、女性を模した人形を投げ入れるというものであった。
車の修理後、彼が夜道を走っていると、一人の老人が道にとび出してくる。
彼は老人を医者のもとに運ぶのだが、彼は死亡。
彼は、坂田渚の、入院中の父親であったが、死因にはどうも不審な点があった。
更に、渚には、兄の部屋から出てきたという目撃情報があり…。
この漁村の秘密とは…?」
・「ウエディング・ナイトメア」(1993年「セリエミステリー」1月号掲載)
「破産寸前の赤坂産業の社長は、笹倉グループから資金援助を受ける代わりに、三人の娘のうち、一人を笠倉グループ社長の息子の嫁にやることとなる。
嫁に選ばれたのは、三姉妹の中で最も地味な三女の香子であった。
相手は、遊び人として有名な輝一郎。
愛のない結婚と知りながらも、父親のために縁談を断れず、香子は彼と結婚する。
だが、夜毎の彼はとても情熱的で、彼女を熱烈に愛する。
何故か、明かりを付けようとしなかったが、その理由が明らかになる日がくる。
輝一郎には子種がなく、後継ぎを作るために、遠い親類の男に彼女を抱かせていたのであった。
彼女は妊娠するが、父親は一体、誰なのであろうか…?」
・「魔天使」(1989年「セリエ」10月号掲載)
「山口里美は、夫の浩二の浮気現場を突き止めようとして、夫の転落死を目撃する。
その時、ホテルから逃げ去る女性の姿があった。
この事件について、里美は、奥村という刑事から何度も聞き込みをされる。
愛に飢えていた彼女は、そのうちに、彼と深い仲になる。
だが、買い物に出た時、彼女は何者かに道路に突き飛ばされる。
彼女をかばい、奥村は重傷を負うが、その後、彼女は彼が刑事でないと聞かされる。
彼の目的とは…?
そして、彼女を狙う者の正体は…?」
・「ブルー・ミッドナイト」(1989年「セリエ」6月号掲載)
「妻を亡くして一年。
野崎は、妻を偲びつつ、海辺の別荘で、建築家として働いていた。
ある日の帰宅途中、彼は、崖っぷちで自殺をしそうな少女を保護する。
彼女は風邪をひいており、自宅で休ませるが、美しい外見とは裏腹に、中身はガキんちょ。
彼女は自分のことは一切語らず、別荘に滞在するが、ある日、野崎はニュースで、17歳の少女が、三角関係のもつれから、義父を殺害したというニュースを見る。
殺された義父は宝石商で、例の少女はサファイアらしい宝石のはまったブローチをはめていた。
野崎は彼女を疑うものの、天真爛漫な彼女に亡き妻の面影を見る…」
2021年1月12・19日 ページ作成・執筆
2024年10月24日 加筆訂正