森繁拓真
「学園恋獄 ゾンビメイト・上」(2013年4月10日第1刷発行)
「学園恋獄 ゾンビメイト・下」(2013年4月10日第1刷発行)

「ごつい山の中に建っている私立愛染学園。
 三年生の鷹丸悟志は、ケガで水泳を断念してから、女遊びだけが唯一の楽しみ。
 彼は女生徒を次々ととっかえひっかえして、今は、一年生の染谷弓子と付き合っていた。
 ある日、彼は彼女からクッキーを貰う。
 だが、そのクッキーを食べた友人達は急に血を吐き、卒倒。
 そして、好きな相手を襲っては、その脳ミソを食べ始める。
 また、脳ミソを食べられた相手も、生き返って、好きな相手を襲うようになる。
 鷹丸はクッキーを食べずに無事だったが、、以前付き合っていた原口真紀や、彼に想いを寄せていたクラスメートの畑口等の女子生徒達のゾンビに追われる。
 彼は、ゾンビ達から逃げまわりながらも、真紀の友人の葛木ひばりと共に、パニックを起こした張本人の弓子を捜すのだが…。
 一方、学園では感染は拡大の一途をたどり、大パニックとなる。
 そんな中、学園は封鎖され、ある儀式の準備が行われつつあった…」
(2003年頃「別冊ヤングマガジン」に掲載。その原稿を再編集し、収録)

 異色の「恋愛ゾンビ漫画」として、そのスジでは非常に評価の高い作品です。
 上巻で「バタリアン」ちっくなゾンビものかと思いきや、後半から、全く予想外の展開を見せ、瞠目させられます。
 作品の連載当時、森繁拓真先生はゾンビに詳しくなかったようで、そのために、ゾンビもののルーティーンに陥らなかったのではないでしょうか。
 ゾンビ、パニック・ホラー、恋愛ものといった様々な要素が独自にブレンドされた、この妙に甘酸っぱい味わいは、ファンが多いのも納得です。

 と、ストーリーは面白いと思うのですが、個人的には、受け付けないところのある作品でした。
 まず、主人公の鷹丸悟志に全く共感できない。
 結局のところ、女の子と「ヤル」ことしか考えてないから。(浅薄な見方とは思いますが、この手のキャラ、本気で好かん。)
 そして、影のヒロイン、染谷弓子もイヤ。
 まあ、彼女なりの複雑な事情が徐々に明らかになるとは言え、結局は「痴話喧嘩」に周囲を巻き込んでいるという印象を拭うことができませんでした。
 とキツイことを書きましたが、かなり個人的な感想…というか、ぶっちゃけ、偏見や嫉妬、恨み等がかなりを占めておりますことを先に白状いたします。

 まあ、私の駄文なんかはうっちゃっておいて、ゾンビものが好きな人は読んで損はないと思います。

2020年6月16日 ページ作成・執筆

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