川本修一「伝説鬼の腕」(130円/1959年1月30日発行)



「平安時代中期、天下は乱れ、京の都は荒れ果てていた。
 両親を亡くした烏丸一平は叔父を訪ねて、摂津から京都へやって来る。
 叔父の五郎太夫は悪徳商人で、盗賊団の首領、鬼童丸(きどうまる)と組み、非道な方法で荒稼ぎをしていた。
 一平は五郎太夫の屋敷を訪れるも、門前払いをされ、五郎太夫の息子と決闘沙汰になる。
 鬼童丸は一平の剣技を目に付け、一平を住処である朱雀門へと連れて行く。
 次の夜、鬼童丸は仕事と称して一平を連れ出すが、その仕事は源頼光の鬼切丸を盗み出すことであった。
 鬼童丸と一平は頼光の屋敷の床下に潜り込むものの、一平は仕事の内容を知り、協力を拒否。
 鬼童丸は一平を気絶させ、鬼切丸を奪いに行くが、潜入を悟られており、這々の体で屋敷から逃げ出す。
 一方、一平は正義の心を認められ、頼光四天王の一人、渡辺綱(わたなべのつな)へ預けられる。
 一平は坂田公時を朱雀門へ案内し、鬼童丸の盗賊団を壊滅させる。
 鬼童丸と五郎太夫は羅生門へ一平を呼び出し復讐しようとするが、渡辺綱の子分が運良く駆けつけ助太刀に加わる。
 一平は五郎太夫を追うが、羅生門の楼上へと逃げた五郎太夫が無惨な死体となって転がり落ちてくる。
 一平が楼上へ行くと、そこに鬼神が現れ、妖気で一平を苦しめる。
 翌日、羅生門を調べても、怪しいところはなかったが、以来、羅生門で変死をする者が続出し…」

 「茨木童子(酒呑童子の側近/羅生門で渡辺綱に片腕を切り落とされるも後で取り返す)」を題材にした作品です。
 読みやすくするためか、烏丸一平という少年を主人公に据えており、前半は「鬼童丸(牛の皮を被り、狩りをしている源頼光を狙う)」、後半で「茨木童子」を扱っております。
 鬼は一応、出てくるものの、古典を題材にした内容ですので、取り立てて特筆するものはありませんが、平安時代にローマ数字の日めくりカレンダーが出てくるのがちょっぴり面白かったです。

・備考
 カバーの下部、痛みや欠損。本体、割れまくり。pp51・52、半分ぐらい欠損。底に「山田」と記名あり。

2026年7月31日/8月7日 ページ作成・執筆

太平洋文庫・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る