東城和美「異形の影」(1989年6月10日初版・12月4日7刷発行)

 収録作品

・「異形の影」
「小笠原直記は、母親と研究員を数名殺して、三友生化学研究所から脱走する。
 彼は、異母兄弟の政弘により改造された、生体兵器の試作品であった。
 逃げる途中、彼は、偶然出会った三宅和彦に匿われる。
 和彦の父親は、三友の研究員で、直記が手にかけていた。
 直記と関わったせいで、和彦の母は殺され、和彦の家は爆破される。
 直記は、獣医の男性のもとに駆け込み、和彦を治療してもらう。
 その後、直記は和彦に全てを明かし、和彦は怒りに身を震わせる。
 だが、政弘により、和彦は拉致される。
 直記は、彼を助けに、研究所に忍び込むのだが…」

・「IF」
「大貫秀明は、、クラスメートの杉浦沙織に、学園祭用の映画のモデルを頼む。
 彼女は一瞬、躊躇ったものの了承し、夏休みに撮影に入る。
 彼女は身体が弱いらしく、撮影は度々中断する。
 それでも、どうにかこうにか撮影は終了し、その夜、打ち上げに花火大会をする。
 秀明は沙織に映画のビデオを渡す約束をするが、彼女は身体を壊して、療養生活に入る。
 二学期になっても、彼女に会えないままで、彼女に対する実在感は薄れていく。
 冬休みに入った時、沙織が秀明に電話してきて、彼は彼女の見舞いに行くが…」

・「湖底の森」
「天体観測のため、ひなびた旅館に宿をとる天文部の一行。
 旅館に着いて早々、部長の関俊彦は、観測場所の下見に行く。
 そこの崖下に湖があったが、そこは事故か自殺か、人が溺れることが多く、死体が上がらないらしい。
 その夜、天体観測をしていた時、女性部員の河野の様子がおかしくなる。
 彼女は湖面を見つめ、湖に向かっていたが、関の声で我に返る。
 彼女は、誰かに呼ばれていたと話すが、関の耳にも「義親」と呼ぶ声が聞こえる。
 旅館に戻り、休んでいると、関のもとに河野がやって来る。
 彼女には、湖に棲む鬼がとり憑いていた。
 鬼は関を義親と呼ぶが、二人の過去の関係は…?」

 目玉は、改造人間ものの「異形の影」なのでしょうが、改造人間の容姿がバッタっぽいのが気になります。
 二本の触角らしきものに、背中には羽、色は多分、緑…東城和美先生は「仮面ライダー」が好きだったんでしょうか?
 巨大なムカデのモンスターも気になるところです。
 あと、ストーリーはよくあるタイプの話です。

2021年5月27日 ページ作成・執筆

大陸書房・リストに戻る

メインページに戻る