谷ゆきお「大魔女」(220円)



「海洋開発の第一人者、柏原社長の屋敷にやって来たお手伝いの陣竜子。
 有能さ故、家族から信頼されるが、社長の娘、ユミは不審を抱く。
 何故なら、働いた形跡がないのに、いつの間にやら仕事を終えているためであった。
 また、その美貌に、若き研究家、大瀬邦彦が心を惹かれていることも気に入らない。
 そんなある日、ユミは、柏原社長が海中に設営するキャビンへと、陣竜子とともに訪れる。
 それはドーム型の建物で、これを基地にして海洋開発を進めようというものであった。
 体調不良を理由に場を外した陣竜子はドームから海中へ脱け出す。
 水中でも平然と生きている彼女は人間ではなく、魔女なのであった。
 魔女の指令により、鋼鉄と化した魚達がドームを襲撃する。
 魔女、陣竜子の思惑とは…?」

 魔女です。
 しかも、単なる魔女でなく、「大魔女」です。
 んで、普通の魔女とどう違うのかと言うと、「大きい」魔女なのです。
 うん、確かにでかい!!(錐揉み落下する飛行機を救う場面である、上右端の画像を参照のこと)
 しかも、常時、囚人服のような「縞々ルック」なところも特徴です。
 更に、性格は情け容赦なく、エキセントリック、それでいて、惚れた男をゲットするためには手段を選ばない、可愛い(?)ところもあります。
 と、まあ、あまりに斬新な「魔女」キャラ設定で、「奇談シリーズ」の名に恥じない奇作となっております。
 「大魔女」様こそ、まさしく、昨今の甘味料まみれでグダグダな「魔女っ子」とやらに喝を入れる…どころか、木っ端微塵にしてくれる存在だと、私は確信しております。

・備考
 ビニールカバー貼り付け、それによる表紙の歪み。読み癖あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり、また、「100」という鉛筆による書き込みあり。

2016年3月2日 ページ作成・執筆

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