浅丘ルリ「魔女姉妹」(220円)
「古い屋敷に一人で暮らす少女、糸見順子。
クラスメート達にはひた隠しにしていたが、彼女には明美という妹がいた。
明美は頭がおかしいだけでなく、発作を起こすと、美しい女性を襲っては、喉笛に食いちぎり、血を啜るのいう病気があった。
姉妹の財産を狙うおばは、明美を精神病院に入れ、順子を引き取りたいとしつこく申し出るが、順子は固辞する。
しかし、ある夜、明美をきちがい呼ばわりするおばを、衝動的に順子は殴り殺してしまう。
おばの死体はうまく隠蔽できたものの、順子は自身にも妹と同じ血が流れているのではないかと苦悶する。
ある日、友人の誕生パーティに招かれた順子は、友人の兄、宏次と出会う。
宏次は順子に一目ぼれして、彼女と友人になろうとするが、冷たくはねつけられる。
それでもあきらめず、順子の家を訪れた宏次は、庭をさまよう明美を目にする。
これをきっかけに、宏次と明美は仲良くなり、明美は宏次に恋をするようになるのだが…」
東京漫画出版社に多数の作品を残した、浅丘ルリ先生は、現在、すっかり忘れられております。
基本がおセンチな少女マンガだった故に、池川伸治先生や三田京子先生、西たけろう先生といった個性派のような「アク」が薄いところが、主だった理由なのかもしれません。
また、構成に難があるようで、伏線というものを張らず、最後の最後で一気に理由を説明するというのも、ちょっといただけません。
ただ、それでも私は好きです。
これは私だけの印象かもしれませんが、女性キャラがどことなく「手塚治虫」キャラに似ているような気がします。(注1)
そんなキャラが、今から見てもヘビーな残酷描写のさなかに投げ込まれている様は、なかなかに味わい深いです。
・注1
手塚治虫のキャラと言いましても、私の念頭にあるのは、1970年代の作品です。(「三つ目がとおる」「ミクロイドS」とか、あのあたり。)
ただし、私、少女マンガにちっとも興味がないので、見当違いな意見だと思っております。
当時の少女マンガに詳しく、もっと正確な指摘ができる方がおられましたら、メールで連絡いただけますと、非常にありがたいです。
・備考
ビニールカバー貼り付け、また、ビニールカバーに紙がところどころ貼りつき。カバー痛みあり。糸綴じあり。本体、猛烈に歪み。前の遊び紙、大きな切れあり。読み癖ひどし。目立つシミ・汚れ多々あり。後ろの遊び紙にスタンプ押印。
2016年10月2日 ページ作成・執筆