西武三郎「死神の女王」(200円)

「197X年、原子力潜水艦ケント号は、海底火山の中に古代都市を発見する。
 その古代都市は、18世紀のヨーロッパ風であったが、実は数千年以上も前の人類がつくったものだった。
 道端に落ちていた日記帳を解読すると、そこにこの都市が滅びる過程が記されてあった…。

 幸せと希望に溢れていた国に、一人の女が一匹の怪獣(本編では出番なし)と一組のカードと共に訪れてから、全てが一変する。
 人々はカード・ゲームに狂い、国王はその女の言いなりになり、国民は貧苦と飢餓に喘ぐ。
 カード・ゲームにより、破産し、父親は自殺したアラン・牧とミチの兄妹は、今はスルタンと呼ばれる女への復讐のために、カード・ゲームの腕を磨く。
 このスルタンという女はいまだカード・ゲームに負けたことがなく、ここまでのし上がったのであった。
 不穏な空気の中、黒バラ団という怪盗団が暴れ、革命が秘密裏に企てられる。
 死神の女王と呼ばれるスルタンという女の正体とは…?」

 SF的要素を加えておりますが、実はプーシキン「スペードの女王」なのであります。
(読んだのが、20年以上も前なので、いつか再読して確認したいと思います。すみません…。)
 それなりに面白いのですが、いろいろ詰め込みすぎて、焦点がぶれている印象があります。
 ちなみに、巻末の「ファンの頁」に、川辺富士雄先生の投稿(「人形娘」)と、若かりし西先生の生真面目そうな写真があります。

  ・備考
 ビニールカバー貼り付け。綴じ穴あり。読み癖あり。後ろの遊び紙に貸出票を剥がした痕、及び、ボールペンや鉛筆による書き込みあり。

平成27年10月13日 ページ作成・執筆

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