瞳レイ子「沙里のよみがえる日」(220円)



「家族と共に郊外に引っ越してきた学生の大野洵一郎。
 彼の家の隣にある、古びた洋館には、美しい娘、沙里と、その身の周りの世話をする婆やが二人で住んでいた。
 沙里は洵一郎のかけるレコードの「グリーンスリーブス」に興味を抱く。
 彼女はその曲を聴きながら、海辺らしきところで母親を探す夢を見たのであった。
 実は、彼女は記憶を失っており、その曲を聴くと、何かを思い出せそうなのだと洵一郎に話す。
 婆やは沙里の過去を知っている様子だが、口を閉ざして何も語ろうとはしない。
 また、偶然洵一郎が発見した、沙里の父親らしき人物から母親らしき人物に宛てた手紙も焼かれてしまう。
 ある嵐の夜、雷に怯える沙里は、ドガの踊り子の絵と、何かおそろしいものがぶら下がっている幻覚を見て、気絶。
 沙里の様子を見て、婆やは全てを打ち明ける決心をするものの、心臓発作で急死してしまう。
 このまま、沙里の記憶を取り戻す手掛かりはないかと思われるが、洵一郎は友人から、ドガの踊り子の絵のある、海辺の家について聞かされる。
 すぐさま、洵一郎は沙里と共に、その海辺の家に向かい、そこで真実を知ることとなる。
 沙里の失われた記憶にまつわる、恐ろしい事件とは…?」

 個人的には、まあまあ面白いと思います。
 絵がもろに少女マンガ・タッチのところが好みの分かれるところでありましょうか。
 でも、内容としては、不倫とか首吊り死体とかの描写があって、ちょっぴりヘビーです。(わたなべまさこ先生っぽいかも。)
 まあ、それよりか、ヒロインが舞台が日本と思えないような格好をしている描写が、個人的に遥かに印象的でありました。(右上の画像を参照のこと/「おはよよう!」もいいなあ。)
 この妙に「おフラ〜ンス」なところがチグハグしていて、味わい深いです。(婆やは着物姿なのに…。)

・備考
 カバー貼り付け。ビニールカバー剥がし痕あり。見開きの奥、テープにて補修。pp18・19、食べカスが挟まったためのシミあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2017年3月13日 ページ作成・執筆

東京漫画出版社・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る