望月みさお「母地獄」(220円)



「結婚後、間もなくして、夫を亡くした女性。
 夫の死後、一粒種の(杉原)真由美が産まれる。
 幸い夫の財産で生活には困らなかったが、真由美は不治の心臓病にかかってしまう。
 母親は、娘の看病に追われ、心身ともにすり減らしながらも、娘の回復を祈り続ける。
 一方の真由美は、闘病生活の疲れと、母親への罪悪感から、死を願うようになる。
 ある日、母親は悪夢を見る。
 その中で、見知らぬ老婆が、真由美を古井戸へ招き入れようとしていた。
 以来、真由美の病状は急激に悪化。
 更に、夢の老婆は、現実にも現れ、真由美を死の世界にいざなう。
 老婆は真由美に「十年間以上も苦しめられ」たと言うのだが…。
 母親は老婆の怨霊から娘を救うことができるのだろうか…?」

 この得体の知れないジャケットに「母地獄」のタイトルときたら、「児童虐待もの」のオーラをビンビン感じるでしょうが、幸か不幸か、「未亡人&病気の娘が老婆の怨霊に憑りつかれる」という内容です。
 とりあえず、この作品に出てくる未亡人が凛とした雰囲気のある女性で、かなり「よろめいて」しまうのが、大きなポイントですね!(でも、テンパった時はいつもの「みさお顔」です。左下の画像を参照のこと)
 また、ストーリーは、母親が娘を死から守ろうと奮闘する母子ドラマで、意外と読ませます。
 ただし、ラストはかなり無茶苦茶かつ安直で、そこがスマートに展開していたら、良作になったのに…と悔やまれます。(と言いつつも、個人的には、それはそれであり、だったりします。)
 あと、こういう幽霊譚を読むたびに思うのですが、こちらにして欲しいことがあったら、まわりくどいことをせずに、単刀直入に伝えてくれよ!!


・備考
 カバー痛み。背表紙下部、破れて外れ。後ろ側の袖の下部に裂け。カバー以外は状態普通(貸本未使用?)。後ろの遊び紙の右上に「1500」と鉛筆で書き込み。

2019年9月4日 ページ作成・執筆

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