好美のぼる「冷凍少女」(220円/1966年頃)



「山深い越後の里。
 もうすぐ厳しくつらい冬を迎えようとしていた。
 すみ江の一家は父親の貞吉は喘息持ち、母親は病気で寝たきりで、冬が来るのが憂鬱で仕方がない。
 それでも、弟の好三と協力して、冬を乗り切ろうとしていた。
 ある日、好三と共に山へ薪を取りに行くと、すみ江はきれいな巾着袋を拾う。
 好三が袋に触ると、氷のように冷たかったが、すみ江は何も感じない。
 好奇心を抱いて、中を覗こうとした時、急に風が吹いてきて、二人は急いで山を降りる。
 数日後、本格的な冬将軍が到来する。
 吹雪の中、すみ江、好三、母親が家で過ごしていると、外から「つらら女がやってくるぞー」という声が聞こえてくる。
 すみ江たちが怯えていると、そこに父親が帰宅してきて、場は一気に和む。
 しかし、母親の失言から、すみ江が両親の子供でないことがばれてしまう。
 更に、父親はすみ江の拾ってきた巾着袋を目にして、顔色を変える。
 父親が巾着袋を捨てに外に出るが、彼の前に「つらら女」が現れる。
 実は、すみ江はつらら女の子供で、その巾着袋にはすみ江のへその緒が入っていた。
 つらら女はすみ江を育てるよう貞吉に預けていたが、七年後の冬、すみ江を取り戻しに来る。
 父親はすみ江を渡すまいとするも、好三を人質に取られ、結局、すみ江はつらら女のもとに自分から戻る。
 だが、すみ江は育ての両親のことが忘れられず…」

 「冷凍少女」というタイトル、さっぱり意味不明なイントロダクション、そして、氷漬け少女のタイトル表紙…とあって、どういうストーリーなのか想像がつきませんでしたが、好美のぼる先生お得意の「人情もの」でした。(ちなみに、氷漬け少女は本文には一切登場しません。)
 他の「人情もの」と同様、ヒロインの健気な思いには相変わらず、心打たれます。(単純な性格をしております。)
 つらら女(つららというより、かき氷に近いですが…)との戦いの描写もまあまあ迫力があり、また、表紙のアートワークも素晴らしいので、良作と言っていいと思います。
 キテレツな作品の復刻もありがたいのですが、こういう心温まる作品にももっと光を当ててもらえると嬉しく思います。

・備考
 ある親切な方から貴重な御本をお借りしました。本当にありがとうございます。借りたものですので、問い合わせをされましても、答えられないことが多いと思います。ご了承ください。

2024年9月28日 ページ作成・執筆

東京漫画出版社・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る