谷ゆきお「幽鬼の影」(220円)

「紀野は峰佐多夫の婚約者。
彼女は今年中に結婚式を挙げることに固執するが、お互い金銭にだらしなく、常に金欠。
このままでは結婚式はいつのことになるかわからず、二人は紀野の妹の金に目を付ける。
紀野の妹の喜美は堅実な娘で、無駄遣いなどせず、自分の金をちゃんと管理していた。
紀野と佐多夫は長野県にある紀野の実家に行く際、喜美も誘い、途中泊まった温泉で喜美を殺害。
警察は事故による窒息死と断定し、紀野と佐多夫はほっとするも、肝心の喜美の預金通帳が見つからない。
とりあえず、実家に帰ると、紀野の祖父母は喜美の葬式をしていた。
祖父母から話を聞くと、先日、喜美からダイヤの指輪や真珠の首飾り、預金通帳と一緒に遺書が届いていた。
しかし、祖父は喜美は犬神様がきっと生き返らせると確信していた。
祖父は棺桶に息抜きのための穴を開け、更に、数日間、埋葬させず、その間、野犬よけのために棺桶の上に座るという念の入れよう。
そこまでされると、佐多夫に喜美が生き返るかもしれないという疑心が生まれ、棺を埋めるまでは帰るに帰れない。
そこで佐多夫は祖父に見張りを代わると申し出て、その隙に棺を埋めようとする。
しかし、祖父が昔に可愛がっていた黒犬が彼の邪魔をしたため、彼は鎌で犬を殺害。
その時、喜美が甦り、棺桶から現れる。
祖父母は喜美が戻ってきて大喜びするが、彼女の様子は以前と全く違っていた…」
「殺した相手への復讐」に「動物霊」を絡めた異色作です。
相変わらず、ヘンテコな話ではあるものの、勧善懲悪な復讐譚のため、そこまではっちゃけてはおりません。
でも、初期の「オカルト漫画」として評価できる内容で、まとまりも良く、良作の部類に入るように思います。
ちなみに、冒頭の温泉シーンで女性のヌード描写があります。
色っぽいですが、煽情的ではなく、谷ゆきお先生の大らかさを感じます。
・備考
カバー欠損。前の遊び紙に書き込みやスタンプ押印。
2025年9月30日 ページ作成・執筆