望月みさお「ゆうれい鏡」(200円)
「佐々真奈美の父親は、遊びが好き、酒が好きで、借金を重ねたダメ男。
別の女のもとに姿を隠している間、真奈美と病弱な母親は借金のかたに家を失い、流浪の生活を送る。
二人は父親を探し歩くが、母親の病状は悪化の一途を辿り、遂に失明する。
冬のある日、橋のたもとで真奈美は、愛人連れの父親に気付き、駆け寄る。
母親も、せめて娘だけでも幸せにするよう、すがり付くが、夫は彼女を突き飛ばし、その場から立ち去る。
絶望した母親は真奈美に一人でも強く生きるよう諭し、夫への恨みを胸に抱いて、冬の川に身を投げる。
真奈美も後を追おうとするが、親切な女性に引き止められ、以来、彼女のもとで暮らすこととなる。
その頃、真奈美の父親は、妻と娘のことが気になって仕方がない。
こっそり二人に会った橋に行ってみると、妻の遺体が川から浮かび上がり、彼女の幽霊が現れる。
夫は、妻の幽霊をブン投げて、愛人の家に逃げ帰るが、このままで済むわけがなく、火事を起こし、顔が醜く焼けただれてしまう。
一方、真奈美は、大野銀子という名の女性の家で幸せに暮らしていた。
ただ、大野銀子は度々白昼夢を見ている様子で、少しおかしなところがある。
訝る真奈美であったが、銀子の鏡像に母親の姿が重なっているのを目にし、母親が彼女を守っていることを悟る。
そんなある日、銀子の家に真奈美の父親が訪ねてくる…」
程よくまとまった、人情ものの幽霊譚です。
相変わらず、妙なコマがあったりしますが、この頃はまだオーバーアクションが控えめで、ストーリーに集中することができます。
とは言え、それだと物足りない人もいるかも…。
・備考
ビニールカバー貼り付け。p1、巻末のp135、ホッチキス綴じから外れ。本文、シミ、汚れ、切れ、剥げ、多し。後ろの遊び紙に鉛筆による書き込みとスタンプあり。
2017年12月7日 ページ作成・執筆