みきそのこ「夜がこわい」(200円)
「終業式が終わり、明日から春休み。
しかし、寄宿舎の霧尾美季のもとに、父親が亡くなったという電報が届く。
父親は駅に行く途中、ブレーキの故障で、海に転落、遺体はいまだ見つからなかった。
母親、早苗は美季を慰めるが、彼女は継母で、美季は、誰を頼りにしていいのかわからず、悲嘆に暮れる。
そこで、早苗は、美季を、自分の妹、山名香に引き合わせる。
彼女は大学を出たばかりで、就職が決まらず、霧尾家に滞在することとなる。
だが、美季が家に戻って以来、彼女は奇妙な足音や自分を呼ぶ声、遂には、父親の幽霊らしき姿を目撃する。
家の人達(早苗、香、いとこの岡野峻(たかし))はその度に美季のもとに駆け付けるが、彼女の言うことを信じてはくれない。
周りから正気を疑われる中、香だけは美季に親身になって接し、調査に力を貸してくれる。
美季の父親は本当に死んでいるのだろうか…」
東京漫画出版社にて、ロマンス漫画を多くものした、みきそのこ先生。
「夜がこわい」は、みき先生による、数少ないサスペンス漫画ではないでしょうか?(注1)
今となっては他愛のない内容ではありますが、結末の前にヒントのページを挿入しており、気の配り方が嬉しいところです。
あと、章の始めの一枚絵は妙にオシャレで、女性漫画家らしいと思います。
・注1
私が知る限りで、他には、「無理心中に賭けた女」(1969年「コミックミステリー」7月特大号)があります。
・備考
ビニールカバー貼り付け(毛も挟まってるなあ…)。糸綴じあり。前後の見返しのノド、セロテープで補強。小口、緑色に塗っている。本文、シミあり。後ろの遊び紙に貸本屋のスタンプ押印。
2021年6月5・12日 ページ作成・執筆