望月みさお「お化け地蔵さん」(220円)
「山梨県甲府の大月山。
ある村はずれの六地蔵に、乞食の婆が住みつくようになる。
地蔵は婆に「人間の心にはいってとびまわってみたい」と告げ、婆は六人の人間が近くを通りがかるのを窺う。
ある日、六人の少女達(岬美代子、大久保信子、倉林洋子、安川玲美、内田登江、堀口直子)が地蔵近くの道を通りがかった時、乞食婆が現れる。
少女達は逃げようとするが、老婆の魔力によって、身体に力が入らず、意識を失う。
気が付いた時には、足はふらつき、頭はぼやけて、自分が自分でない気がする。
以来、少女達は変わってしまい、次々とトラブルを引き起こす。
内田登江は食べ物に貪欲に、堀口直子は口が悪くなり、倉林洋子はあちこちで喧嘩を巻き起こし、安川玲美は「地獄」のビジョンを現出させる。(大久保信子は普通)
ただ、岬美代子は、美しい女神となってトラブルを解決していき、乞食婆も太刀打ちできない。
美代子は、トラブルの原因はこの六人にあると考え、解決策を探るのだが…」
私が最初に手に入れた望月みさお作品です。
十年ぐらい前、貸本を段ボール一箱、某オークションで落札した中に入っていたのですが、状態が悪かったため、読まないまま、ずっと放置しておきました。
んで、ようやく読んだのですが、実に素晴らしい!!
望月みさお作品の中でも、かなりテンションの高い部類に入ります。
ただ、それをどう言葉にしたらいいのか、いまだわからず、途方に暮れております。
それにしても、望月みさおの作品、最初は拒否反応を示していたのが信じられない程、全てが愛おしいです。
真に「オンリー・ワン」な漫画家の御一人でありましょう。
上辺だけのテクニックで、その実、自己顕示欲にまみれた作品だらけの昨今、この徹底して「ストレート」な表現には目からウロコが落ちるのではないでしょうか?
・備考
ジャンク。カバー欠。前の表紙が外れているだけでなく、ネズミにかじられている。本文、シミ多し、特にpp14・15がひどい。後ろの見返し、貼り付け。。
2021年3月2日 ページ作成・執筆