三田京子「雨女が忍びよる」(220円/1966年頃?)



「一条珠美は市会議員の父親と優しい母親を持つ高校二年生。
 ある雨の晩、彼女の前に、露美が現れる。
 露美はかつての珠美のライバルであったが、三年前に行方不明になり、もう死んだと考えられていた。
 家に帰ると、服はびしょ濡れで、風呂場で絞ると、血が流れだす。
 しかも、風呂場に露美が現れ、珠美の首を絞めようとする。
 翌日、珠美は知り合いの漫画家、三田京子のもとを訪れる。
 三田京子は雨女の漫画を描いていて、珠美は露美が雨女ではないかと考える。
 実は、珠美には人には決して言えない秘密があった。
 彼女は露美に雨女にされないよう対策をとるのだが…」

 まあまあ面白いと思います。
 惜しむらくは、露美が雨女になった理由がわかりにくいところ。(後記で一応の説明はあるものの、あれで納得できるのか?)

 まあ、ストーリーよりも、作中に作者自身が出てくるのが興味深かったです。
 美化しているのか、控えめにしているのかはご本人を知らないので、何とも言えませんが、漫画を描く時でも、でっかいベレー帽に胸には花(のブローチ?)となかなかオシャレです。
 にしても、正座で漫画を描いて、足は痛くならなかったのでしょうか?(座布団に秘密あり?)
 本棚には「漫画百科」「世界史」に並んで、「恐ろしい話」「怪談特集」があります。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり。糸綴じの穴あり。後ろの遊び紙に鉛筆の書き込みと貸出票の剥がし痕あり。

2022年7月5日 ページ作成・執筆


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