望月みさお「蛇倉の少女」(220円)



「身売り同然に、ある家に養子に来ることになった厚子。
 彼女は人前では久恵と名乗らされ、一日に一度、蔵の中の蛇神に食事を供えに行くことが日課であった。
 厚子は知らなかったが、蔵の二階にはその家の本当の娘、久恵が隠れ住んでいた。
 久恵は、肌がうろこで覆われた蛇少女だったのである。
 でも、これは継母の光枝が仕組んだことであり、光枝は、久恵と夫を亡きものにして、財産を奪おうと画策していた。
 ある日、光枝は、久恵の父に毒の入った飲み物を蔵に運ばせ、久恵を毒殺。
 だが、この家を不審に思った青年、勝巳が電柱から殺害現場を覗き見していた…」

 望月みさお先生は、動物(猫、狐、狸、猿…etc)を扱った「実話少女怪談」を多数描いておりますが、「蛇少女」ものも存在します。
 ですが、楳図かずお先生や古賀新一先生といったノリを期待すると、ものの見事に、裏切られます。
 第一、コレ、「蛇少女」ではありませんから。
 肌のウロコは、継母が絵具で描いたという設定で、実は普通の少女です。(こんな小細工に、本人どころか父親も騙されるなんて…。)
 そのため、派手な描写には欠け、怪奇色が薄いのは残念。
 ぶっちゃけ、本編よりも次回予告の方が面白く感じました。
 予告画像を見る限り、興味津々だけど、タイトルぐらい載せておくれよ。

・備考
 糸綴じあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2019年3月13日 ページ作成・執筆

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