浅丘ルリ「うろこ肌の魔少女」(220円)



「エミは、唯一の肉親である母親を自殺で亡くし、一人ぼっちの身の上となる。
 孤児院に引き取られるところを、母親の親友の昌江という女性がエミを引き取ろうと申し出る。
 昌江の屋敷に移る前夜、エミの夢の中に、母親が現れ、自分は昌江に殺された、昌江の屋敷に行ってはならない、と訴える。
 しかし、新しい母親は優しく、豪勢なお屋敷での恵まれた生活に、エミは幸せでいっぱいであった。
 その一方で、エミはおかしなことに気付き始める。
 屋敷のどこかから聞こえてくる、苦しそうな呻き声。
 母親が自室の鏡に向かって、何やら話していること。
 そして、この屋敷で女中をしていて、行方不明になった妹を探すために、屋敷の近辺をうろつく男。
 そう、屋敷にはもう一人、美紗という少女が隠れ住んでいたのであった。
 美紗は昌江の一人娘であったが、その身体は蛇のようなうろこに覆われていた。
 昌江は過去に蛇を占いに使う家の息子を殺してしまい、その祟りが娘の美紗に降りかかったのである。
 そこで、昌江は、美紗のことを秘密にするために、美紗を死んだことにして、屋敷に軟禁したのであった。
 母親の愛情を横取りされたと、美紗はエミに嫉妬と敵意を燃やす。
 そして、エミを養子にした昌江の真の目的とは…?」

 「蛇女」ではなく、「うろこ肌」の少女なのであります。
 くねくねしたり、ずるずるしたり、口が裂けて動物を丸飲みしたり、うろこを飲ませて仲間を増やしたりはいたしません。
 蛇の祟りを受けてはおりますが、内面は普通の年頃の少女です。(でも、ちょっぴり凶暴…。)
 なかなか新鮮でした。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり。前後の後ろ紙に貸本店のスタンプあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2016年8月20日 ページ作成・執筆


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