しきはるみ「継母白蛇鬼談」(220円)
「江戸時代。
宗之介のもとに後妻として嫁いできた、お梅。
この家には先妻の子、お春という娘がおり、宗之介は一人娘のお春を溺愛していた。
加えて、お梅は子供をつくれない身ということもあり、宗之介はよりお春を可愛がる。
宗之介の愛を独占するお春にお梅は嫉妬し、遂には殺意を抱く。
そして、ある夜、宗之介の帰りが遅くなる機会に、お梅はお春を絞殺。
その一部始終をお梅のペットの白蛇、お菊が目撃していた。
お菊を殺そうとするものの、まずはお春の死体の始末の方が先で、お梅は宗之介の帰宅までに何とか処理する。
翌日の昼、宗之介がお春の身を心配し始めた頃、宗之介のもとにカミソリ屋の使用人が訪ねてくる。
昨夜、店へお春が依頼の品を取りにやって来たというのであった。
しかも、青い顔をして、ざんばら髪だったと言う。
お梅は、店を訪ねた時刻が、お春を殺害した時刻であることを知り、青ざめる。
気分が悪くなり、臥せるお梅の前に、お春の亡霊が現れ、お梅に襲いかかる。
それは夢であったが、お梅の首には白蛇のお菊がぎっちり巻き付いていたのであった。
それ以来、お梅は原因不明の熱で床から離れられなくなる。
また、白蛇のお菊はエサを食べなくなり、異臭を発するようになる。
気にかかった宗之介はお菊の様子を観察すると、夜毎、墓場に出かけて、死肉を喰らっていたのであった。
お梅の強い主張もあり、宗之介はお菊を殺すのだが…」
怪談で定番の「蛇もの」ですが、相変わらず「継母」にこだわる、しきはるみ先生。
んで、相変わらず、継母が継子をいじめて、どうのこうの…といった話になっております。
ただ一つ、不思議なのは、この作品に出てくる蛇が、継子ではなく、継母のペットだという点。
ペットの蛇が殺された主人の復讐を果たすということなら、すっきりするんですがね。
まあ、しきはるみ先生のバイオリズムが低調だったのか、この作品、内容的にも作画的にもイマイチです。
ただし、次回予告の「怪奇継母蟇女」は(予告編を見る限りは)かなり力入ってます。
継母蟇女なんか、頼まれもしないのに、背面ヌードを披露しております。(絵的には「ガマ」より「カメレオン」?)(注1)
いや〜、ほんま、継母蟇女に、真夏の暑さをふっ飛ばしてほしいものであります。
それにしても、こういうのを見ると、無性に血がたぎってしまい、一種の強迫観念となって脳裏に染みついてしまうのが、悩ましいところ。
んで、ヤ○オクなんかで血を吐く思いをして、入手をしたら、あまりのヘボさに「ぺぴぺぴ」(注2)してしまうことを繰り返しているのであります。
多種多様な人間がいて、十人十色な人生を送っているであろうことは承知しておりますが、俺の人生って一体全体何なんだろう…?
・注1
誰か「怪談継母カメレオン女」、描いてみませんか?
「少女カメレオン」(未読)を描かれた好美のぼる先生はとっくの昔にお亡くなりになりましたので、「カメレオン女」(未読)を描かれた関よしみ先生、如何でしょうか?
・注2
山咲トオル先生の「ゴキブリ少女 ケメ子」を参照のこと。
・備考
ビニールカバー貼りつき、また、そのためのカバーの痛みあり。p17、p79、p118、p124、鉛筆による落書きあり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
2016年7月25日 ページ作成・執筆