橋本将次「大旋風圏」(220円)



「昭和43年(1968年)9月21日、東京に超大型の台風が来襲する。
 その台風十四号の眼から、奇妙な物体が奇妙な物体がもの凄い勢いで吐き出される。
 それは表面が不気味に蠢く、直径二メートルぐらいの赤紫色の球体で、東京の郊外に墜落する。
 そこから手足の長いトカゲのような生物が現れ、気象科学研究所の木俣博士の頭に入り込む。
 謎の生物に寄生された木俣博士は研究所に向かい、田辺博士に気圧実験室を一晩だけ貸してくれるよう、袖の下まで使って頼み込む。
 その晩、木俣博士は、謎の物体をトラックに乗せて、研究所に運び込む。
 木俣博士は田辺博士に、これは台風撃滅体、モンスーラという生物だと説明する。
 モンスーラを台風の眼に投げ入れれば、どんな巨大な台風でも消滅してしまうらしい。
 二人は実験に取り掛かり、モンスーラを気圧実験室に入れ、どんどん減圧していく。
 だが、これは、木俣博士に取り付いたモンスーラ星人による陰謀であった。
 低気圧の中で成長するモンスーラは、研究所を破壊して、巨大化。
 モンスーラ星人の恐ろしさを示すため、モンスーラはマッハ2に狂風を吹いて、東京を蹂躙する。
 航空自衛隊の攻撃にびくともせず、モンスーラは東京湾を渡り、夢の島に腰を据える。
 その間に、防衛庁の面々は対応を検討、ロケット弾による総攻撃が提案される。
 しかし、田中という人物はモンスーラの凶暴化を危惧するし、ライオンマンの召喚を主張。
 その主張が受け入れられ、田中は、影山真一と春子と共に、ヘリコプターで宝剣岳に向かう。
 二度と帰ってこないと思われたライオンマンであったが、真一の呼びかけに答え、再度登場。
 夢の島にて、ライオンマンとモンスーラの決戦の火ぶたが切って落とされる…」

 「怪獣決戦シリーズ」の第二弾です。
 前作よりも描き込みが減って、スカスカな分、ちょっとトーン・ダウンした感じです。
 また、怪獣の暴れっぷりも前作と較べると、物足りないなあ〜。
 低気圧で巨大化するモンスーラという怪獣の設定は面白いと思うので、惜しいです。(怪獣に関しては、若干、説明不足ではありますが…。)
 ラストはライオンマンが問答無用でモンスーラを斬り殺してますが、断末魔の叫びが(怪獣なのに)「ぎゃーーっ」なのが印象的でした。

・備考
 ビニールカバー剥がし痕あり。糸綴じあり。湿気で本全体がベコべコ。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。前後の見開きに貸本店のスタンプ押印。

2017年10月28日 ページ作成・執筆

東考社・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る