「怪談・50」(170円)



 収録作品

・浜慎二「誓いの完封」
「期待の新人として、プロ野球の世界に入ったものの、勝ちがとれない青年。
 同期のライバル達がどんどんと実績を重ねていく中、彼は悩む。
 監督は彼を慰め、彼が実力を発揮できるよう考えるが、どうもうまくいかない。
 思い余った彼は睡眠薬で自殺を図り、命は取り留めたものの病院に運ばれてしまう。
 その夜、監督の下に青年が現れ、明日の試合で投げさせて欲しいと頼む…」

・小島剛夕「菊花は咲けど」
「ふとしたことがきっかけで知り合った武士の左門と妙。
 若い二人は互いに惹かれあう。
 が、左門は訳あって、出雲の国へ出かけなくてはならなくなる。
 左門は妙に重陽(陰暦九月九日・菊の節句)に必ず帰ってくると約束する。
 妙は左門を待ちわびるが、左門は事情により、軟禁状態に置かれていた…」
 元ネタは、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「約束」。
 原作は男同士の約束を描いた、少々無骨な物語ですが、これに悲恋ものの要素を加え、絶妙のアレンジ具合です。

・北風三平「白樺別荘4号」
「別荘で休暇を過ごす母と小さな娘。
 そこへ三年前に行方不明になった夫がひょっこり帰ってくる。
 夫はろくでなしで、妻への乱暴や、家財の破壊は日常茶飯事。
 妻は彼を夫ではないと主張し、警察を呼ぶが、言うことの辻褄が合っている。
 夫の父親も彼を本人と認め、妻は追い詰められていく…」
 ストーリーの破綻もなく、かなりよくできてるように思います。
 ただ、この夫の嫌らしさったら…。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。つじ糸あり。表紙ヨレ。上部に水濡れのあと(浜慎二の作品でひどい)。p9からp10にかけて小さな穴あり。

平成26年9月24〜26日 ページ作成・執筆

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