「怪談・59」(1963年頃/190円)
収録作品
・いばら美喜「悪魔」
「一見すると、能天気な若い女性。
だが、彼女の正体は、幸せそうな人間を不幸にせずにはおけない悪魔だった。
彼女に目をつけられた一家は途端に不幸のどん底に突き落とされる。
が、家の主人は彼女の正体を察し、一か八かの賭けに打って出る…」
・小島剛夕「炎上」
「二十代以上も続く、古い家柄。
慶応四年(1868年)、大政奉還がなされ、明治時代も目前な頃。
家長となった長男は、家名を重んじ、弟が幕府側につく事にあくまでも反対する。
忠義のためと、五稜郭の戦いに行くという弟を、兄は勘当。
このことがきっかけとなり、家門の名の下に何百年と蓄積された歪(ひずみ)が噴出するのだった…」
「怪談100」にて再収録。
・楳図かずお「目なし地蔵」
「墓石等を彫って、生計を立てている石屋の老人。
老人のもとに、隣村から地蔵を作って欲しいという頼みがあった。
あとは目を作れば完成という時に、急に地蔵が不要になった旨を伝えてきた。
老人は大して気にせず、作りかけの地蔵を隅にやったまま、忘れてしまう。
その後、裏山の村から地蔵の依頼があり、これはちゃんと完成し、奉られた。
ある夜、老人は人の声でふと目を覚ます。
障子の破れから外を覗くと、裏山の村の地蔵が目なし地蔵を訪ねてきた。
裏山の村の地蔵は今度自分は人間に生まれ変わるので、目なし地蔵も人間に生まれ変わらないかと誘いにきたのだった。
目なし地蔵も同意し、自分が行くはずだった隣村に生まれ変わると言う。
実際に、数日のうちに、裏山の村と隣村に赤ん坊が生まれたのだったが…」
・北風三平「今朝早く」
「夜、青年は自由に空を飛ぶ。
青年は一路、交通事故で足を悪くした少女のもとに向かう。
朝、少女の家の窓辺に舞い降りた青年は、少女と一緒に山の野原に飛んで行き、楽しい一時を過ごす。
が、少女が彼の名前を思い出した時…」
菊地秀行・編「貸本怪談まんが傑作選 怪の巻」(立風書房/1991年7月10日発行)にて復刻されております。
興味のある方はどうぞ。
・備考
二冊所有。
一冊は、状態悪し。カバー痛み。鋲打ち込み。p16、pp26・27(いばら美喜作品)に落書きあり。pp25・26の下部の小破れ(コマにはかからず)、pp62・63とpp65・66(小島作品)のコマにかかる切れにセロテープで補修あり。p115、pp120・121(北風作品)に落書きあり。
平成26年10月13日 ページ作成・執筆