「怪談・64」(発行年月日不明/190円)
収録作品
・浜慎二「地下室水族館」
「とあるアパートに夜警に雇われた貧乏学生。
そこの住人は、老婆と孫の女の子。
老婆は青年に自分が金持ちであることをしきりににおわす。
その老婆の秘密とは…?」
・小島剛夕「みだれ初めにし」(注1)
「みちのくの しのぶもじずり 誰(たが)ゆえに 乱れそめにし われならなくに
源融(注2)の歌に関する悲恋の物語」
・サツキ貫太「古沼の記憶」
「連続する怪死事件。
被害者は皆、「カニだ…古沼のカニだ…」と呟き、血を吐き、息絶えた。
捜査が進むにつれ、被害者は同じ高校の、しかも、野球部であることが明らかになる。
彼らの過去に秘められた秘密とは…?」
ひばり書房の黒枠(色枠)を代表する怪作の一つである、眉月まりな『侵略ガニ』以前に、「カニだ カニだ」と連呼しております。先取りしていたとか…(テキト〜言ってます)。なかなか面白いです。
・小沢おさむ「雪の降るある夜に…」
「とある時計職人の老人の孫娘に恋をした青年。
二人は次第に想い合う仲になるが、突如、老人に交際を禁じられてしまう。
老人が危篤に陥った時、青年は交際を許されるが、実は、娘の正体は…?」
粗筋を書いただけで、オチがわかってしまいますが、そう、ホフマン『砂男』なのであります。とは言え、あまりに直球ド真ん中な内容故、逆に新鮮に感じました。
・注1
表紙では「みだれ染めにし」、目次では「乱れそめにし」になっておりますが、マンガのタイトルで載せております。
・注2
作品では、源融(みなもとのとおる)が「みなもとのゆずる」となっておりますが、これは小島剛夕先生の勘違いなのでしょうか? それとも、これはこれで正しいのでありましょうか?
古典に関する知識がほとんどありませんので、わかりません…。
・備考
状態、非常に悪し。糸とじの穴あり。小口研磨の為、一回り小さし。しみ、細かい切れ多数。pp5〜8、pp19〜22、pp31〜34、コマにかかる欠損。p39、pp44〜45、p134、マジックによる描きこみあり。カバーの見返し、両方ともなし。後半頃より、下部に濡れしみあり。
平成26年7月1・2日 執筆・ページ作成