「怪談・65」(200円)
収録作品
・浜慎二「凍死」
「八甲田山で遭難した、壮年の登山家と二人の大学生。
猛烈な吹雪を目の前に、凍死を待つ身となる。
彼らのテントに、吹雪の中からぶらりと一人の青年が現れる。
その青年は登山は初めてで、たった一人で登って来たと言う。しかも、基本的な装備のマッチさえも持っていない始末。
コーヒーを飲むと、青年はテントから出て、吹雪の中をまた行こうとする。
登山家と学生は青年を止めようと、その後を追うが…」
・小島剛夕「姥桜」
「殿のお側仕えを命じられながらも、恋人と駆け落ちしようとした咎で、流刑になった女性。
二十年以上経って後、赦免され、離れ離れになった恋人との再会を待ちわびる。
夜、散歩に出かけた折に、二人を結びつけるきっかけとなった桜の枝が大きく成長しているのを見る。
その桜の向こうの屋敷には、若い姿のままの恋人の姿があった。
そして、女性も若い姿となっていた…」
・サツキ貫太「ロザリオ物語」
「母親は亡くなり、父親は船員のため、二人だけで暮らす兄妹。
そんな二人の希望は、母親からもらったロザリオ。このロザリオを持っていれば、母親の命日に亡くなった母親と再会することができるという。
ある日、二人は母親の墓を尋ねて東京にやってきた孤児と出会う。
兄は自分達の生活だけで精一杯だと言うが、妹は孤児を見捨てておくことができない。
彼女は、孤児のためにロザリオを売るのだった…」
落合二郎先生とのコンビを組んだ作品で知られる(?)サツキ貫太先生ですが、単独の作品もなかなか一筋縄でいかない仕上がりとなっております。
でも、慣れたら、味わい深いマンガではあります。
このマンガにに関しましては、もろど真ん中の人情ものです。
内容も絵柄がかなり古臭いので、何かからの再録だとは思うのですが、この古臭さがいいんですよね〜。
単純な性格だと言われれば、その通り。
・古賀しんさく「切れたフイルム」
「酒屋のおかみとその愛人の侍が、金目当てに、年老いた按摩(あんま)を殺し、按摩の霊に復讐されて焼死するという、古い怪談映画。
その按摩を演じている俳優が、誰かわからない。
監督や照明係に聞いても、記憶にないと言う。
それならと、俳優に聞こうとするが、皆、映画と同じ焼死を遂げる…」
「怪談スリラー」(ひばり書房黒枠)にて再録。
・備考
ホッチキスによる綴じあり。カバーに折れあり。
平成26年10月19・20日 ページ作成・執筆