小島剛夕「怪談濡れ髪草紙」(160円)



「青山播磨は、二千石の由緒ある青山家の当主を継いだばかりの青年武士。
 彼は母親の墓参りをするお菊という女性を見初める。
 が、彼は白柄組の一員で、これは直参の無頼旗本の集団であった。
 旗本であることを笠にきて、好き放題をしている白柄組は、町人衆のドン、播随院(ばんずいいん)長兵エと敵対していた。
 ある日、白柄組が集まった飲み屋で、播随院長兵エの子分と長兵エと仲の良い、神道無念流の向坂甚内(こうさかじんない)が別の座敷にいることがわかり、白柄組のトップの水野は決闘を仕掛けることにする。
 水野の命令により、播磨と向坂甚内は決闘することになるが、無用の争いを避けるために、甚内はわざと播磨に負ける。
 しかし、傷ついた甚内の娘はお菊であった。
 敵同士となった二人だが、互いを想う気持ちを偽ることが出来ず、お菊は青山家に腰元奉公をすることを決心する。
 お菊の心のうちを知った甚内は、道場を高弟伊吹三平に譲り、諸国遊歴の旅に出る。
 が、お菊を愛していた伊吹三平は、嫉妬のあまり、夜道を歩いていた播磨に勝負を挑み、返り討ちにされてしまう。
 その後、播磨の背後には伊吹三平の黒い影がつきまとうことになるのだった。
 また、お菊にも黒い影が差す。
 播磨に若年寄の娘との婚約話が持ち上がり、お菊と播磨の仲を裂こうと下っ端侍の佐仲(さちゅう)が暗躍する。
 佐仲はお菊に徳川家より賜った家宝の皿を拭き清めるよう言うが、この皿で播磨の心を試すよう唆される。
 若年寄の娘との婚約話に疑心暗鬼になったお菊は、その皿を一枚、割ってしまう…」

・備考
 状態非常に悪し。カバー痛み。背表紙に「64」と、赤マジックによる落書き。小口に数字と人名の、赤マジックによる落書きあり。糸綴じあり。見返しの代わりに、茶紙にて補修? p1に「君恵」、p3に「恵君」、p7に「為」、p59に「飛」とボールペンでの落書きあり(カラーページの落書きはやめてくれ〜)。pp10・11に御飯粒か何かが挟まったための剥げあり。pp21・22・31・32・53・54・71・72に折れ跡あり。小欠損・小切れ、幾つかあり。

平成26年12月20・23日 ページ作成・執筆

貸本・つばめ出版・リストに戻る

貸本ページに戻る

メインページに戻る