小島剛夕「うず潮の果て」(150円)
「公儀隠密である風早隼人は、想い人である千鶴と別れ、阿波へと向かう。
使命は阿波の太守に伝わる秘文書を奪うことだが、誰一人として生きて帰ることがなかった。
隼人の父親も任務の途中、行方不明になった。
父親の死の謎を明らかにしようとする隼人だが、阿波を目前にした時に、彼方より流れ来る、父親の亡霊が吹いていた尺八の音色を耳にする。
それに合わせて、尺八を吹いていると、阿波藩の隠し目付けにより、隠密であることを悟られてしまう。
彼が吹いていた曲は、鳴門海峡の地獄岩から聞こえてくる幽霊笛というもので、三十年前、彼の父親も同じ曲を吹いていたのだった。
追い詰められる隼人を、双葉という女性が船で迎えにやって来る。
小船で鳴門の渦潮を命からがら突っ切り、宗伯という医者にかくまわれる。
一方、千鶴は隼人の行方を追って、くぐつ師に扮して、阿波にやってくる。
船で阿波に渡る時、地獄岩から尺八の音色が聞こえてきて、海面に浮かび上がる阿波人形を見た侍が海に転落するという事故が起きる。
船頭の話では、ある阿波人形使いが親友に裏切られ、渦潮に飲み込まれた祟りだという。
それを聞いて、千鶴はその阿波人形使いは、隼人の父親ではないかと考える。
隼人の父親の死と、地獄岩から聞こえる尺八の音色の秘密とは?」
・備考
状態非常に悪し。カバー痛み、また四方にテープによる補修あり。カバーに「41(42?)」という、赤マジックでの落書き。小口に人名や数字の、赤マジックによる落書き。糸綴じあり。見返しの代わりに、茶紙にて補修?pp1〜4にかけて、大きな破れ(特に、pp3・4)、他にも小切れ、多々あり。目立つシミ、所々にあり。pp61・62にコマにかかる小欠損あり、他にも小欠損、いくつかあり。pp141・142に大きな穴あり。
平成26年12月20日 ページ作成・執筆