楳図かずお「怪A」(1972年11月30日初版・1976年7月20日10版発行)

 収録作品

・「ヘビ少女の怪」(1966年)
「明治四十年頃、山中村。
 中村利平という男が「しのばずの沼」に猟に出かける。
 そこは、主が棲んでいると言われ、村人の誰もが近づかない場所であった。
 案の定、利平は、沼の主である大蛇に襲われ、その左目を猟銃で射貫いて、命からがら逃げかえる。
 しかし、高熱にうなされた挙句、数日後、変わり果てた姿となって死んでしまう。
 このことがあってから、およそ六十年後。
 中村利平の孫娘、中村洋子は祖母と二人暮らし。
 ある夜、祖母を何者かに殺され、洋子は隣村のお金持ちの家にもらわれることになる。
 その家の主人は、左目に眼帯をした、美しい女性であった。
 彼女は洋子を温かく迎えるが、ヤニ入り御守に激しく苦しみ、洋子は御守を川に流してしまう。
 その夜、寝床で洋子は片目の蛇女に襲われる。
 だが、蛇女は過って自分を傷つけてしまい、部屋から逃げ出す。
 血の跡は母親の部屋に続いていたが、そこには蛇女の姿はなかった。
 しかし、次の夜、恐ろしい事実が明らかになる。
 この家の一族は蛇人間であり、洋子の母親は、沼の大蛇の生まれ変わりであった。
 洋子は、蛇人間達から蛇のうろこを飲まされ、彼らの仲間にされてしまう。
 そして、その様子を、洋子の親友、山川サツキが目撃していた。
 秘密を知られた蛇人間達は、洋子をサツキの家に住まわせ、サツキを蛇人間にする機会を窺う…」

 楳図かずお先生の代名詞の一つ「へび少女」ものです。
 ですが、今現在からすると、怖いというよりも、猛烈に御都合主義&荒唐無稽な内容の方が印象的かもしれません。
 そんな破綻寸前のストーリーの合間合間に、蛇人間にするための特訓(蛇のウロコをたっぷり水に混ぜた井戸に突き落として、這い上がらせる)とか、蛇のうろこをまぶした弁当といったプチ・インパクトのあるショック描写が挿入され、強引に読ませる手腕は流石…かも。
 あと、気になったのは、「蛇のぬいぐるみの中に仇を入れて、別の人間に殺させる」というアイデア。
 これは、古賀しんさく(aka 古賀新一先生)「奇妙な犯罪」(「オール怪談・47」収録)に影響を与えているのでしょうか?

2018年1月30日 ページ作成・執筆

秋田書店・リストに戻る

メインページに戻る