楳図かずお「のろいの館」(1969年9月5日初版・1984年12月5日57版発行)

 収録作品

・「のろいの館」(1967年/「赤んぼう少女」改題)
「孤児として惨めな暮らしを送った葉子は、生き別れた父親に発見され、家に迎えられる。
 歴史学者の父親は葉子に優しく接し、これから始まる豊かな生活に葉子は胸躍る。
 ただ、母親に多少変わったところがあり、葉子をタマミと呼び、仏壇のある部屋で仏様を拝むよう強制する。
 だが、新しい生活の前に、葉子は全く気にしなかったが、ある夜、驚愕の事実が明らかになる。
 その家には、葉子の姉、タマミが屋根裏に隠れ住んでいたのであった。
 タマミは奇形児で、年をとっても身体は成長せずに赤ん坊のままであり、母親はそのショックでおかしくなる。
 父親はそんなタマミを化け物呼ばわりし、施設にやるが、母親は仏壇に隠し戸を作り、こっそりタマミを住まわしていた。
 葉子の口添えで、タマミは家で暮らすこととなり、母親は大喜びする。
 しかし、それ以来、葉子はタマミにいろいろと悩まされることとなる。
 ある夜、葉子が階段で転落事故を起こしたことから、父親は激昂、タマミを箱に詰めて、葉子に捨てさせる。
 どうにか脱出したタマミは家へ戻り、人形に化けて、書斎に入り込み、父親を襲う。
 父親を地下室に閉じ込めると、タマミはその本性を露わにして、葉子への虐待を開始。
 見かねた婆やの提案で、葉子は婆やの実家へ向かうが、タマミは執拗に追いかけてくる。
 そこで、葉子達はタマミの秘密に近付くのだが…」

・「怪談」(1966年)
「雪山で遭難した五人の男女。
 彼らは、眠気を覚ますために、各々が怪談を話す。
 吸血鬼に囚われ、血を吸われて、干からびていく夢を毎夜見る少女の話。
 鬼の面をかぶって、食物を奪っていた老婆が鬼に変化する話。
 柳の精に憑り殺される男の話。
 そして、最後、娘を連れた父親が、絶対に話さぬよう言われた「人食い雪」について話す…」

 1960年代中盤に描かれた名編が二つ収録されております。
 「のろいの館」は元は「赤んぼ少女」のタイトルで、単行本も出ております。(未入手で、内容の確認できておりません。)
 今読むと、怖いと言うよりは、いろいろと危険かも…。(容赦なく「化け物」扱いしてます。まあ、実際、その通りですが…。)
 当時の少女達が「タマミ」と聞いただけで震え慄いたのは有名な話ですが、個人的には、「たま」(注1)の知久寿焼(ちく・としあき)さんぽくて、ほっこりしてます。(知久寿焼さん、本当にごめんなさい。(注2))

・注1
 熱心なファンではありませんが、いまだに初期のアルバムは気の向いた時に聴いてます。
 ちっとも古びないのが凄い!

・注2
 毎度毎度謝るぐらいなら、そんなこと書かなきゃいいのですが、いわゆる「まぼろしパンティ」方式です。

2017年9月18日 ページ作成・執筆

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