「日野日出志の霊少女魔子」(2019年8月10日初版第1刷発行)

 収録作品

「霊少女魔子」

・「白い世界」
「東北の雪深い僻村。
 一軒家に住む少女と祖母。
 出稼ぎに行った父親は行方知らずとなり、母親は遠くの町に水商売をしに出かけ、何日も留守にすることがしばしばであった。
 それでも、心優しい少女は楽しく暮らしていたが、ある日、家に見知らぬ男性が来たことをきっかけに…」

・「百貫目」(「少年画報」1970年13、14号)
「山の麓の一軒家。
 その家の長男は、気は優しくて力持ちの青年。
 彼が九人の弟や妹たちと野山で木の実や山菜を取っている間に、両親と祖父母は夜盗に殺され、家が焼かれる。
 彼らはこの地を離れ、鬼の面をかぶり、地方の村々で食べ物を盗んで、生きていく。
 特に、巨大な鬼を人々は「百貫目」と呼んで、恐れた。
 しかし、「百貫目」たちがいくら食料を得ても、百貫目は食欲旺盛で、満腹することがない。
 更に、冬が近づき、また、村では自警団を作るようになったため、状況はますます厳しくなる。
 そこで、彼らは庄屋の家から盗んだ着物や宝を都に売りに行くのだが…」

・「かわいい少女」(「少年キング」1972年2号)
「古い民家や村の写真を撮るために、旅をしている青年。
 道に迷った彼は、夕暮れ時に、ある村に辿り着く。
 道を聞くために、彼がある家を訪ねると、少女が一人留守番をしていた。
 両親が葬式から戻るまで、彼は囲炉裏のそばで待たせてもらうが、その間、少女は彼に村に伝わる伝説を語る。
 昔、この村の人は足を怪我した老僧を手厚くもてなし、老僧はこの村の寺に住むようになる。
 この老僧の不思議な力とは…?」

・「人魚」
「鯉好きな殿の命を受け、陣内という侍が人魚を探す旅に出る。
 人魚は蝦夷地の奥深くの湖に棲み、雪のような白い肌に漆黒の瞳に長い黒髪、そして、黄金をまぶしたような七色の鱗が輝くさまはこの世のものとは思えない美しさだと伝えられていた。
 彼は様々な艱難辛苦を乗り越え、地獄山に到着し、そこの老婆から湖の場所と人魚のことを教わる。
 人魚は七年に一度、七日しか現れず、陣内はその日をただ待ち続ける。
 遂に、ある夜、彼は「永遠不滅の美神」たる人魚の舞う光景を目撃する。
 そして、彼は樽に詰めた人魚を城に持ち帰るのだが…」

2023年12月27日 ページ作成・執筆

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