好美のぼる「耳売り少女/呪いをあなたに」(2018年9月22日発行)

 収録作品

・「耳売り少女」(文華書房)
「夜な夜な、十二時を過ぎると、切りたての耳を売って歩く少女。
 多くの人が少女の声を耳にするものの、その姿を見たものはほとんどいない。
 時を同じくして、巨大なハサミで女性の両耳を切り取る猟奇事件が町を恐怖のどん底に突き落とす。
 ある夜、めぐみという少女のもとに耳売り少女が現れる。
 めぐみは、母親を自殺で亡くし、唯一の肉親の兄と暮らしていた。
 耳売り少女はめぐみに耳を渡し、それに願い事をすれば叶うと教える。
 試しに兄の大学費用を願うと、翌朝、枕元に大金が置かれていた。
 めぐみと兄は警察でことの次第を話しに行く。
 その際、警察署の前で、めぐみは自分にそっくりな少女と出会う。
 彼女こそが耳売り少女本人であった。
 だが兄は耳売り少女を妹と勘違いし、一方のめぐみは謎の黒覆面に連れ去られ、耳を売ることとなる。
 耳を売る一味の秘密とは…?」

・「呪いをあなたに」(東京漫画出版)
「ハイキングに出かけた三人の少女、スミ子、マリ子、ルミ子。
 彼女達は、きこりの警告にも関わらず、一本松の立つ丘へ向かう。
 そこで彼女達は突如、気絶し、気が付くと、無人の町にいた。
 町では全てが紛い物で、更に、巨大な虫に襲われる。
 戸惑う三人の前に、謎の人物が現れ、スミ子、マリ子、ルミ子には各自、油虫、テントウムシ、蚊の呪いがかかっていると告げ、それにまつわる、三人の罪を挙げる。
 三人は様々な方法で脱出を試みるが、彼女達のいる町の正体とは…?」

 ヤフオクでは二十万円を軽く超える、プレミア漫画「耳売り少女」の復刻です。
 ただ、個人的には、「呪いをあなたに」の方が遥かに面白く思いました。
 好美のぼる先生の最高傑作の一つではないでしょうか?
 いけうち誠一先生のトラウマ傑作「小ちゃくなあれ」を先取りしたような内容に唸らされます。(あと、蚊のジャムとかテントウムシのネックレスとかにも別の意味で唸らされます…。)(注1)
 この本と同じ頃に出版された「まんだらけZENBU NO.88」(2018年8月15日発行)には「好美のぼる特集」が掲載されておりますので、併せて読むと、より好美のぼる先生のディープさに触れることができます。(途方に暮れるばかりですが…。)
 あと、付属のペーパーには、南部寛永氏「ヨシミグリーン」、辻中雄二郎氏「少女の嫉みの王国・好美のぼる」、「好美のぼる貸本漫画リスト」(大助かり!!)が掲載されております。

・注1
 人間が縮むアイデアは、リチャード・マティスン原作の映画「縮みゆく人間」(未見)や、名作SF映画「ミクロの決死圏」(これまた未見)の影響があるのかもしれません。(注2)
 そこに箱庭の要素を持ち込んだ作品には、凡天太郎「だれもいない町」(「漫画天国 1966年9月16日号」収録)がありました。(他にもたくさんあると思いますが、今、思いつくのはこの作品ぐらいです。勉強不足…。)

・注2
 そう言えば、ウッディ・アレンの「ミクロの精子圏」は?(言い訳、用意!!)

2018年12月15日 ページ作成・執筆

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