さがみゆき「人喰い屋敷」(1984年8月16日発行/黒81)
さがみゆき「ミイラの叫び 人喰い屋敷」(1987年8月16日発行/青125)
「もとは殿様であった、津上家の屋敷は、森ほどもある広大な庭に囲まれて、ひっそりと建っていた。
津上家は奇妙なことに一度も葬式を出したことがない。
昔、愛人の死体の腐敗を目の当たりにした殿様の命によって、津上家の人間は死体を人の目に触れさせてはいけないこととなった。
それ以来、津上家の人間は死期が近づくと、どこからか気味の悪い霊声が屋敷十に聞こえ、そのうちに、その人間は姿を消してしまうのであった。
一月前に、しのぶとさとみの父親が姿を消した。
続いて、母親も姿を消してしまう。
姉妹は、秘密を握っているらしい、婆やの梅木せつを問い質すが、はっきりしたことは一切口に出さない。
霊声はやむことなく屋敷に響き渡り、次は自分の番だと、姉妹は怯える。
一週間後、雷の鳴り響く夜、やつれ果て、変わり果てた姉妹の母親が屋敷に戻ってくる。
姉妹がこっそりと見守る中、母親は梅木せつを前に、自分の地獄のような体験を物語る。
そして、津上家の秘密が明るみに出されるのであった…」
貸本マンガの「人喰い屋敷」(東京トップ社)のリメイクであります。
貸本マンガの方はミステリー仕立ての部分もありますが、リメイク版のこちらはそんな七面倒なことはせずに、ページの半分を「迷路のように入れ組んだ洞窟でのサバイバル」に割くという大盤振る舞いであります。
もちろん、カニバリズム描写もばっちりありますし、罪の意識から見る幻覚の描写も迫力満点。
今現在、読んでも、十二分に通用する内容ではないでしょうか。
名作です。(成長して、マンガ自体は忘れても、子供の頃、読んで、トラウマになった人多数と思われます。)
平成27年12月6日 ページ作成・執筆