宮本ひかる「私は予言する」(200円/1964年1月24日完成)
「さとるの前に突如現れた、奇妙な少女。
彼女の予言通り、さとるの女友達、セツ子は交通事故に遭い、軽傷を負う。
セツ子の友人、スミ子によると、少女の名は京子といい、一週間前に隣町からこの町のおじのもとへ引っ越してきたのだと言う。
両親を亡くしており、クラスメートともほとんど口をきかず、たまに口を開けば、予言ばかりで、その予言がよく当たるのであった。
京子の美しさと黒髪に心惹かれたさとるは、彼女の家の前まで行ってみる。
ちょうど京子が外出するところで、さとるがその後をつけると、彼女の行先は山奥の鍾乳洞であった。
鍾乳洞で出会った二人は、折悪く雨に降られ、相合傘をして帰宅することとなる。
途中、二人は意気投合し、友達になることと約束する。
だが、突然、京子の黒髪から血が流れ出し、「お母さん」と叫びながら、走り出す。
さとるが駆け寄った時には、京子は落ち着きを取り戻し、不思議なことに、黒髪のどこにも傷口はなかった。
翌日、京子が肺炎になったと聞いたさとるは、京子が滞在するおじのもとを訪ねるが、門前払い。
意地でも会おうと、セツ子と共に、裏口から忍び込むと、家の中には頭に毛のない人物がいた。
おじに見つかり、二人は慌てて、家をとび出すが、以来、京子は姿を消してしまう。
京子の身を案ずるさとるは、鍾乳洞のことを思い出し、急いで向かう。
さとるは鍾乳洞の奥で、カチカチに凍った女性の死体を見つけるが、その死体には髪の毛がなかった。
その女性と京子の関係とは…?
そして、京子の霊感の秘密とは一体…?」
なかなか面白いです。
個人的な印象ですが、宏文堂時代の方がひばり書房時代よりも「ハツラツ」している感じです。
・備考
ビニールカバー貼りつき、また、それによる歪みあり。全体に渡って、シミ多し、特に、pp78〜81がひどし。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。
2017年1月21日 ページ作成・執筆
2018年6月11日 加筆訂正