能登山けいこ「少女たちの秘密」(2017年7月26日初版第1刷発行)

 収録作品

・「ひとりじめ」(「ちゃおデラックスホラー」2016年9月号増刊掲載)
「ミユはハルトのことが大々々好き。
 彼に告白して、付き合い始めたものの、わずか一週間で彼から別れを告げられる。
 理由は彼女が彼のことを「好きすぎて」「いっしょにいると疲れる」からであった。
 別れた直後、彼は立入禁止の工事現場でコンクリートの穴に落ちてしまう。
 ミユは近所の人に助けを求めるが、誰も信じてくれず、ミユもハルトも今日、家には誰もいない。
 助けを求める彼を見て、彼女はある考えを思いつく。
 それはこのまま、彼を穴に閉じ込めて、自分を「大切な存在」だと思わせるということであった。
 彼女は彼に定期的に食料を運ぶが、ある日、彼の家族が捜索願を出したと知って…」

「クリスマスの来訪者」(「死神はささやく」
「琴乃は、母との二人暮らし。
 母が仕事で帰りが遅くなるのは寂しいけど、その隙間を辰哉が埋めてくれていた。
 クリスマスの夕方、買い物に出かけた彼女は、財布を忘れたことに気付き、マンションへと戻る。
 すると、誰も来るはずがないのに、来訪者がある。
 彼女が居留守を使うと、その何者かは鍵を開けて入ってくる。
 彼女はうまく身を隠すも、昨日、近所で強盗殺人があり、その犯人だと考える。
 このままでは強盗と帰宅した母親が鉢合わせてしまうのだが…」

・「左手が呼んでいる」(「ちゃおデラックスホラー」2010年7月号増刊掲載)
「杏樹の一家は一戸建てに引っ越しして、彼女は犬が飼えるようになる。
 両親が留守の晩、彼女が犬の散歩をしていると、警察の立て看板が目に入る。
 それによると、一年前、男子中学生が行方不明になっており、彼は彼女と同じ学校であった。
 家に戻り、風呂に入っていると、突然、停電となる。
 彼女は弟のいたずらと思い、風呂場から出ると、ある部屋から「トン…トン…トン…」と音が聞こえる。
 彼女が襖を開けると、左手だけが宙に浮き、部屋の真ん中で畳をつついていた。
 その時、弟が帰ってきて、彼に部屋を見てもらうが、そこには何もない。
 だが、それ以来、彼女の前に左手が何度も現れるようになり…」

・「おっぴさん家のざしきわらし」(「ちゃおデラックスホラー」2009年7月号増刊掲載)
「翔は連休中、曾祖母のおっぴさんの家で過ごすこととなる。
 しかし、母親の出産のため、両親がおらず、おっぴさんの家はド田舎で寂しい事この上ない。
 また、この家には家の守り神という人形があった。
 おっぴさんによると、これは拾い物で、色を塗って、きれいな着物を着せたら、以来、この家は栄えたという。
 だが、翔はこの人形を不気味に感じる。
 その夜、彼女は金縛りにあい、何者かに首を絞められる。
 金縛りが解け、跳ね起きると、布団の上にあの人形があった。
 翔は怖くてたまらないものの、両親に心配をかけたくないのと、これから姉になる身なので、我慢しようと決意。
 次の日の夜、彼女が一人で部屋にいると、鈴の音が聞こえる。
 彼女の部屋を覗きに来たのは、着物姿の可愛い女の子の幽霊であった。
 この女の子の幽霊は可愛いけれど、いたずらが大好き。
 それでも、いつの間にか遊ぶようになり、翔は女の子の幽霊に「リン」と名付ける。
 ある夜、彼女が生まれてくる弟か妹のために、ウサギのお守りマスコットを作っていると…」

・「独裁少女」(描きおろし)
「二年三組の日野サクラは皆の推薦により生徒会長に立候補し、見事、当選する。
 特に彼女の支えになったのは、憧れのリク先輩からの励ましであった。
 彼女の理想は「やさしい世界」、そして、「みんなが正しくいられる世界」。
 彼女は「正しいリーダー」として違反者をばしばし取り締まるものの、違反はなくならない。
 「ルールを破るような人間は何度も同じことを繰り返す」ことを知った彼女は彼らを徹底的に懲らしめる必要があると痛感。
 「もっともっと正しく」するために、彼女は…」

・「あいたい」
「奏江リョウは幼い頃から人の心を読み取る能力があった。
 そのため、人間不信に陥っていたが、小学生の時、梶原アミという少女と出会ったことで、彼の運命は大きく変わる。
 彼女の心の中は喜びで溢れていた。
 彼は人間への信頼を取り戻し、また、人の心を安易に読まないよう自分を訓練する。
 別々の中学に二人は進んだため、会えなくなるが、中学三年の時、梶原アミが学校裏の崖から落ちて亡くなる。
 葬式の帰り、彼の前にアミの幽霊が現れ、自分をイツキという少年の所に連れて行ってくれるよう頼む。
 イツキは売り出し中のアイドルで、地元のテレビ番組とかに出ていた。
 彼はイツキに嫉妬心を感じ、アミの心を読もうかどうか悩むのだが…」

 個人的には、「あいたい」の出来が良いと思いました。
 超能力少年と幽霊少女のコンビ…なかなか魅力的ではないでしょうか。(ただし、続編はなさそうですが…。)

2024年9月9日 ページ作成・執筆

小学館・リストに戻る

メインページに戻る