本田真吾「彩子・白」(2018年4月15日初版発行)
・「第1話 ツギハギ」
「一年前。
二年A組の斎賀彩子は、地味な眼鏡っ子の女子高生。
生真面目な性格で、徹底して人のために尽くし、内気な性格にも関わらず、誰もやりたがらない学級委員長に立候補する。
そんな彼女を唯一理解してくれるのは、ボーイフレンドの貴弘であった。
ある日、彼女の周囲で、猫の惨殺事件が発生。
しかも、猫はバラバラにされた後、ツギハギにされていた…」
・「第2話 血文字」
「ツギハギ事件の犯人と疑われたのは、クラスメートの乾(いぬい)という男子生徒であった。
彼はクラスの嫌われ者で、グロイ漫画や死体画像をよく見ていることを理由に犯人扱いされる。
だが、彼はクラスメートの追及はどこ吹く風で、「君たちが助けを求めても無駄だよ ボクは心のキレイな人しか助けない」と意味不明な発言をする。
その日の下校途中、貴弘は彩子に、乾が彼女をストーキングしているのではないかと注意するのだが…」
・「第3話 敵意」
「翌日、彩子の机の中に「彩子 君が欲しい」と血で書かれた紙が入っていた。
更に、クラスの高ビー女、椎名が、彩子と貴弘の仲を知り、彩子に陰湿ないじめを開始する。
下校途中、彼女は貴弘に、血文字で書かれた紙について相談するのだが…」
・「第4話 守護者」
「彩子が一人で下校していた時、奇妙な視線を感じる。
その視線の主は、クラスメートの乾であった。
彼は彼女に、自分は彼女の「守護者」であり、ずっと見守っていると話す。
そこに貴弘が現れるが…」
・「第5話 殺意」
「彩子の靴箱に入っていた封筒には、大量の人間のものらしき歯が入っていた。
どう考えても、乾の仕業としか思えず、彩子は危機感を募らせる。
一方、貴弘は、肩を疲労骨折してしまい、甲子園の夢は途絶えたと絶望する。
彩子は彼を慰めようとするのだが…」
・「第6話 おもい」
「貴弘に拒絶され、彩子は孤立無援となる。
雨の日、彼女は彼に自分の想いを打ち明けるのだが…」
・「第7話 最後のテスト」
「貴弘と破局した日の夜、彼女のもとに乾からメールが届く。
それには、貴弘を拉致したので、解放してほしければ、今すぐ学校に来いと書かれていた。
意を決し、彼女は自分のクラスに向かう。
そこで待ち受けている「最後のテスト」とは…?」
・「第8話 最後の一人」
「「最後のテスト」に合格した彩子。
今までの不審な出来事の黒幕とは…?」
・「第9話 ありがとう」
「ようやく明かされる全ての真実。
善意を無条件に信じてきた彩子が最後に思ったこととは…?」
・「第10話 さ いこ」
「遂に、「最高の女性」が完成する。
そして、「彩子」はアプリとして世に解き放たれる…」
(「LINEマンガ」掲載)
・「彩子・白 Another Story」(多分、描き下ろし)
「軽薄な貴弘と、ビッチな椎名の物語」
呪いのアプリが大暴れする快作「彩子・黒」の前日譚です。
かなり陰惨かつ鬱々とした内容ではありますが、ミステリーとしても読み応えがありますので、併せて読むことをお勧めいたします。
あと、個人的に思うことは、ヒロインがここまで貞操観念が強固でなければ、こんな目に会わずにすんだのになあ〜。(いくら綺麗事を並べても、年頃の男の子に我慢させるのは、やっぱ、限界があると思います。)
2020年10月12日 ページ作成・執筆