大城密・雨宮黄英・小狐裕介・著者/ゆきだるま・漫画「スマホでバズった怖い話」(2020年7月21日第1刷発行)
収録作品
・大城密・著者/ゆきだるま・漫画「マンホールから覗く女」
「ハルトとユウナはデートに出かける。
目的地はとある商業施設であったが、距離があったので、途中、コンビニで買い物をする。
ユウナが買い物をしている間、ハルトは外で煙草を吸うが、ユウナはなかなか戻って来ない。
ハルトは煙草の吸殻を捨てると、吸い殻はマンホールの蓋に開いた穴に落ち、中から「熱い」と女の悲鳴が聞こえる。
ハルトがマンホールの蓋を見つめると、穴の向こうから眼球が彼を見つめる。
彼は気のせいかと思うが、女の目はあらゆる穴から彼を覗き見する。
彼はそれから逃げようとするが…」
・大城密・著者/ゆきだるま・漫画「一殺条例」
「『一殺条例』とは上がり過ぎた犯罪率と凶悪犯罪の被害者の救済のために作られたもので、「人生で一度きり、合法的に人を殺すことのできる権利」について定める。
と言っても、復讐の際に使用することがほとんどで、たいていの人は使わず、保有するだけであった。
さて、辻口さやかは無職になって半年、失業保険は切れ、早く仕事を見つけないとヤバい。
しかし、彼女の仕事に対する条件は非常に高く、職安で職員に条件を見直すよう忠告される。
すると、彼女は職員にいちゃもんをつけ始め、遂には「私は無職ですが、『一殺権』を保有しているんですよ?」と脅す。
当然、そんな脅しは通じず、彼女はあきらめて、窓口から立ち去る。
その後、自動販売機でジュースを買い、ベンチで休んでいると、田中という男が彼女に声をかけてくる。
彼の用件は彼女の「一殺権」を買い取らしてほしいというものであった。
彼女はその取引のために閉鎖されたショッピングモールへと呼び出されるのだが…。
依頼主は誰なのであろうか…?」
・雨宮黄英・著者/ゆきだるま・漫画「電車を遅延させたかったので、目の前の酔っぱらいを線路に突き落としてみた」
「浩二は無気力なサラリーマン。
彼は会社の会議が憂鬱で仕方がなかった。
朝の駅のホーム、彼の前には汚らしい酔っぱらいがおり、彼を線路に突き落とせば電車が遅延して、会議に行かなくてもいいのではと考える。
周囲を見回すと、近くにいるのは読書をしている会社員とスマホを見ている女子高生だけ。
そこに電車が来て、浩二は酔っぱらいの背中を押して、酔っぱらいは線路に転落する。
しかし、すぐに浩二は自分のしたことの重大さに気付き、ガクゼン…。
酔っぱらいは自殺扱いされ、彼に疑いはかからなかったものの、帰宅後、彼のカバンには一枚の茶封筒が入っていた。
その中には「全部見ていたぞ 人殺し」と書かれた紙があり…」
・小狐裕介・著者/ゆきだるま・漫画「殺してもいい人、連絡先を教えてください」
「谷島という会社員が飲み会の帰り、公園のトイレに寄る。
目の前の壁を見ると、「殺してもいい人 電話番号を教えて下さい」と落書きがあり、谷口は電話がかかってきたら、説教するつもりで自分のスマホの電話番号を落書きの下に書き込む。
帰宅後、彼のスマホに「非通知設定」で電話がかかってくる。
電話の相手は落書きの主で、谷口は「本当に殺していいんですね?」という質問に「やってみやがれ」と答える。
その日から午前三時、落書きの主が彼のマンションのドアの前にやって来るようになり…」
「自殺投票」と同じく、ほとんど会話のみで進み、見せ場になると漫画になるパターンです。
本当にスマホでバズったのかどうか疑問を感じさせらるような作品ばかりで、そこまで深みは感じません。
まあ、敢えて挙げますと、「電車を遅延させたかったので〜」は身につまされるストーリーで、つろうございました。(でも、現実味がある話ではないと思います。)