御茶漬海苔「恐怖テレビ(TVO)C」(1994年11月1日初版第1刷・1996年7月5日第3刷発行)
・「チャンネル28 人面疽」(1994年「月刊ホラーM」9月号)
「東京中学校。
花田絵理花、暗田舞子、涼の三人は小学校からの幼なじみ。
絵理花も舞子も涼に想いを寄せるが、絵理花と涼は舞子に内緒で付き合う。
しかし、舞子は二人の仲に気が付いていた。
ある夜、舞子は絵理花を化学工場に呼び出す。
彼女は絵理花を罵り、工場の屋上から突き落とす。
絵理花の死は事故扱いされるが、その後、舞子の身体に異変が…」
・「チャンネル29 テレビの中のアイドル」(1994年「月刊ホラーM」8月号)
「雨宮暗子は雨宮病院の娘で、青島龍という歌手の大ファン。
彼女が歌番組を観ていると、突如、「恐怖テレビ(TVO)」が始まる。
司会者は暗子に、テレビの中に入り、龍と一緒にいる女を刺し殺し、彼に注射を打てば、彼は彼女のものになると話す。
彼女はその通りに実行し、病室に彼を拘束する。
彼女は彼に歌を唄わせようとするが…」
・「チャンネル30 ハンニン」(1989年「ヤングサンデー」No.18)
「私立日本国女子高等学校。
教師の鬼川は競馬で大金をすったため、金庫にあったPTAの寄付金を盗む。
彼は、金庫の前に制服のボタンを落としておき、生徒の犯行に偽装。
全校生徒の身体検査を強行した後、田中幸代という目立たない生徒を犯人にでっちあげる。
彼は生徒指導室で幸代に壮絶な暴力を加え、ムリヤリに自白させる。
これによって、田中幸代は退学になるが、佐藤という女子生徒はこれに異議を唱える。
何故なら、盗みのあった当日、彼女は幸代と一緒にいて、幸代にはアリバイがあったからであった。
鬼川は佐藤の口を封じようとするが…」
・「チャンネル31 水たちの復讐!!」(1989年「ヤングサンデー」No.19)
「さよ子と恵子は海辺のホテルに泊まる。
目的はスキューバ・ダイビングで、ホテルの近くの海で楽しんでいる途中、水流に巻き込まれてしまう。
気が付くと、絶壁に周囲を囲まれた、穴のような場所に出ていた。
水面は泡だらけで、死んだ魚が幾つも浮いている。
恵子はゴーグルが割れ、目が痛いとさよ子に助けを求めるが、さよ子は彼女を突き飛ばし、自分だけ海岸に戻る。
身体中、ベトベトで、ホテルに戻った彼女はシャワーを浴びるのだが…」
・「チャンネル32 うわさの包囲網」(1989年「ヤングサンデー」No.15)
「ある公園の砂場。
小学生達が協力して、大きな砂の城を作る。
だが、野球をしていた青年がボールをキャッチした際、尻もちをついて、砂の城を壊してしまう。
彼は軽く謝って立ち去るが、子供達の目は憎悪に燃えていた。
小学生達は、青年が幼女殺人事件の犯人という噂を流し、彼の顔写真のついた手配書までつくって、団地に貼り付ける。
青年が異変に気付いた時には既に…」
・「チャンネル33 テレビテレビ」(1989年「ヤングサンデー」No.16)
「あるマンションの一室にある「ファミコンソフト開発部」。
ソフト開発部チーフ、高島浩(25歳)は遂に「体感ファミコン」を完成させる。
早速、テストのため、ソフトをファミコンに差し込み、ヘッドギアを装着。
ソフトの内容はサバイバル・ゲームで、すぐに射殺され、ゲームオーバーになる。
高島はゲームとは思えぬリアルさに圧倒され、興奮が止まらない。
彼はリプレイするのだが…」
・「チャンネル34 ひとり」(1989年「ヤングサンデー」No.17)
「中学生のたかしはいつももう一人のたかしと一緒。
大人しくて、引っ込み思案な彼と対照的に、もう一人は反抗的で乱暴者。
家では口うるさい母親に何かにつけ文句を言われ、学校でも孤立してたが、もう一人のたかしのお陰で寂しくはない。
ある雨の日、彼は、もう一人が止めるのも聞かず、少女に傘を貸す。
それをきっかけに、たかしは彼女と仲良くなるのだが…」
・「チャンネル35 死@」(1989年「ヤングサンデー」No.20)
「田中夫婦の間に生まれた女の子。
夫婦は女の子に生代を名付け、18年の歳月が流れる。
生代は京都女子大の受験を受け、一人で合格発表を見に行く。
夫妻のもとには生代から合格したと電話があり、二人はお祝いの準備をするが…」
・「CHANNEL-32 死A」(1989年「ヤングサンデー」No.21)
「戦場。
ハリーは人を殺すのも、自分が死ぬのも何とも思わない兵士。
新人兵士のジョンは怯えて役に立たず、ハリーは彼を嫌悪し、逃げたら殺すと脅す。
ハリー、ジョン、スティーブの三人に午前二時、敵陣への突撃命令が下る。
敵の攻撃は激しく、スティーブが殺されるのを見て、ジョンは恐怖で身がすくむ。
ハリーだけは敵を片端から掃射していくのだが…」
この単行本では「TVOB」から七話、収録されております。
「人面疽」「テレビの中のアイドル」は「月刊ホラーM」に掲載されたものです。
2023年10月12日 ページ作成・執筆