菅島茂「奇音/赤い鉄獣」(2018年5月5日発行)

 収録作品
「奇音」
・「赤い鉄獣」(注1)
「美大生のルリ子とその兄は、破格の安値で、赤いジャガーを手に入れる。
 だが、そのジャガーは、交通戦争の産み出した吸血自動車であった。
 意志を持ったジャガーは人を轢き殺しては、その血を吸い、遂には、車内の二人の命をも狙い始める…」

 奇跡の復刻です!!(凄いよ、これはマジで凄いよ!!)
 貸本漫画にて怪作中の怪作として知られる「奇音」と「赤い鉄獣」のカップリングで、定価は税抜きで四千円ですが、充分、もとの取れる内容です。(ただ、もう少し読みやすい製本だったら…。)
 限定225部で、瞬く間に売り切れてしまったでしょうから、未入手の方のために、是非とも再版を検討していただきたく思います。(装丁はもっと簡略化してもいいですから。)
 両方、メチャクチャ面白いよ!!(特に、「赤い鉄獣」の後半、ジャガーとの攻防には感銘を受けました。)

・注1
 車を扱ったホラーとしては、スティーブン・キング「クリスティーン」が最も有名でしょうが、それよりも十年以上も早く、赤い車がモンスターという設定に心が痺れます。
 まあ、古くには、「スカーレット・レディ」(作者ど忘れ)という激渋な作品もあり、赤い車とホラーは相性がいいようです。

・備考
 菅島茂先生へのインタビューと、未完の作品「恐怖の言葉」を復刻した小冊子あり。

2018年5月7日 ページ作成・執筆

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