杉戸光史「恐い人面蛇」(1984年7月16日発行/黄187)
「美都子(作中では「美っちゃん」としか呼ばれていないので、名前は推測)は、親戚の正人の住む田舎を訪れる。
彼の家に向かう途中、二人の前に、キチガイ娘が現れる。
キチガイ娘は、美也子にこの先にある、蛇神様の祠をよく拝むよう忠告。
そうしないと、狂い死にした、彼女の母親のように祟りがあると言う。
その祠には、昔、このあたりを荒らした大蛇が封印されていると伝えられていた。
正人は迷信と鼻からバカにするが、祠の前を通りかかった時、洞窟に何者かが潜んでいる。
正人はそいつの後を追うが、悲鳴が聞こえた後、洞窟からバチヘビ(ツチノコ)が転がり出て来る。
そのバチヘビの背中には人の顔があり、奇怪な笑い声をたてながら、美都子にとびかかる。
以来、バチヘビはあの手この手で美都子を襲う。
彼女は、バチヘビの毒牙にかかった正人によって、祠のある洞窟へと連れ込まれるのだが…」
ひばり書房黒枠単行本の「人面蛇」を再刊したものです。
ツチノコ・ブームの際に、ツチノコと「蛇もの」をミックスしたのでありましょうが、それが面白さにつながっているかと思いきや、正直、ビミョ〜です。
新しい題材を取り入れても、ストーリー自体に新味が全くなく、数ある「蛇もの」の中で、三番煎じぐらいの作品でしかないと思います。
とにもかくにも、古賀新一先生の「蛇もの」に類似した描写、多過ぎ!
黒枠単行本より10ページ程度、削除されておりまして、とりあえず、気付いた変更点は以下の通り。
・冒頭のページ「蛇神シリーズ」→「杉戸光史 怪談シリーズ」に変更。
・pp8・9(「バチヘビ」説明ページ)削除。
・p43(人面蛇がローリングしながら来るシーン)削除。
・p49(人面蛇の顔アップのシーン)削除。
・pp52・53(人面蛇がヒロインの頭に絡むシーン)削除。
・p81(人面蛇の背中の顔から人が現れるシーン)削除。
・p87(伸びた手がヒロインの口を押えるシーン)削除。
・p109(人面蛇がヒロインにとびかかってくるシーン)削除。
・p111(人面蛇が倒れたヒロインに襲いかかるシーン)削除。
・p175(ヒロインが人面蛇に巻かれるシーン)削除。
・p186(ヒロインに伸びた手が絡みつくシーン)削除。
・pp206・207(読者コーナー)、残念ながら削除。
基本、大ゴマのページが片端から削除されており、勿体ない話と思います。
2019年7月11日 ページ作成・執筆
2021年2月10日 加筆訂正