森由岐子「私は地獄の島を見た」(1987年10月6日発行/黒206)

「ヨッコとボーイフレンドの堀江久人はボートで沖に出て、嵐に遭遇、海に投げ出される。
 二人は見知らぬ島に流れ着くが、無人島にしては様子がおかしい。
 道らしきものがあり、辿っていくうちに、石造りの城址のような建物があった。
 建物に、美しい女性を見かけるが、彼女はすぐに姿を消す。
 その後、二人がいくら探しても、人が住む気配はあっても、住人を目にすることはない。
 だが、二人のために食べ物が用意してあり、お腹の膨れた二人は睡魔に襲われる。
 ふと、久人が目覚めると、顔が醜く崩れた女がそばにいた。
 その女はヨッコを海岸に追い詰め、突き落とそうとしたその時、身体中が崩れた人々が現れ、女を制止し、共に立ち去る。
 ヨッコと久人は島からの脱出を図るが、久人に一目惚れした、島の女の妨害にあう。
 二人は城址で出会った、美しい女性にかくまわれるが、彼女と醜い女は姉妹であった。
 この島に住む人々の秘密とは…?
 そして、ヨッコと久人の運命は…?」

 ひばり書房の黒枠単行本からの再刊であります。
 ヒバリ・ヒット・コミックスらしく、「顔がくずれる女たち」のタイトルでも出されております。
 黒枠単行本との内容の差異は、ほとんどが精神病院のシーンでの言葉の変更。
・p6「戸田精神病院」→「戸田神経科」
・p7「私は今…精神異常者として冷たい鉄格子の中にいる」→「私は今…冷たい病室に入れられ、悲しみ泣いています……」
・p183「や、やめろ、気違い」→「や、やめろ」
・p205「こうして私は精神病院へ入れられた」→「こうして私はある病院へ入れられた」
・p205「精神病院」の看板→「神経科」の看板
・p205「あまりにも恐ろしい出来事のために 一夜にして老いた姿と化した私は ただ狂人だといわれるだけ…」
→「あまりにも恐ろしい出来事のために 一夜にして老いた姿と化したのだけれど……」
・p206「こうして私は精神病院に入れられて 日ごと夜ごと泣きさけんでいるのです」
→「こうして私は真実を訴えたいと日ごと夜ごと泣きさけんでいるのです」

2022年10月2日 ページ作成・執筆

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